2022年参院選結果 辻元清美氏国政復帰 他

10日投開票された参院選に全国比例で立候補した立憲民主党辻元清美氏(62)が当選を果たした。


投票終了の午後8時過ぎに当選確実の一報が届き、「8時に当確、信じられない。心からのご支援感謝いたします」と支援者に深く頭を下げた。


選挙戦終盤の8日、自民党安倍晋三元首相が奈良市で凶弾に倒れた。「安倍元総理がお亡くなりになった。ですから、(当選しても)うれしいというか、そうでもないというか」と複雑な表情をみせながらも、「ますます、日本社会でのさまざまな問題を深刻に受け止めて、前に進んでいかないといけない。安倍総理と私は長年、議論してきた。心からご冥福をお祈りする気持ちでいっぱいです」と話した。


先の衆院選では日本維新の会の池下卓氏の前に、比例復活もできないほどに惨敗。自分を否定された思いで、ひどく落ち込んだ。その後、全国を回って地域の人々の声を聞くうちに「利権政治を止めなければならない。全国の声を届けないといけない」と感じたといい、当初は次の衆院選も考えていたが、ロシアのウクライナ侵攻や物価高などの情勢の変化も重なり、「国会で『総理!』と言いたい」と参院選に全国比例での出馬に踏み切った。


支持基盤を持たず、産別候補の多い立憲民主党内でどれだけ得票できるかという〝身内との戦い〟に不安を抱えながらも、選挙戦では地元の大阪を中心に全国で街頭演説。自らビラを配り、道行く人に話しかける従来のスタイルで戦い、国政復帰を決めた。

参院選長野選挙区(改選1)に自民党公認で出馬した松山三四六氏(52)が落選した。「日本のど真ん中、信州からつむじ風を起こす」と地域創生を掲げ、ローカルタレントとしての知名度にかけたが、立民現職の杉尾秀哉氏(64)に及ばなかった。選挙戦終盤になって週刊誌で相次いでスキャンダルが報じられた。事実関係は認めたものの、期間中に説明はなかった。安倍晋三元首相の銃撃事件の後には、事務所に脅迫電話がかかり、警察にも届け出た。


長野市内のホテルで改めて説明会見に応じた松山氏は、「人として不誠実だった。悩んだ末に選挙戦を優先させたが、期間中に説明すべきだった。初めて経験する過酷な選挙戦で正常な判断ができなかった」と話した。特に「10年前に20代の女性と不倫、妊娠させ、人工妊娠中絶同意書に偽名で署名した」と週刊文春が報じた件では、「立候補要請を受けた時には忘れていた。この問題を覚えていれば出なかった」とした。


会見の最後には、「過去を消す消しゴムはありません。これを背負って、今後精進していきます。すべて私の責任です。申し訳ございませんでした」と、頭を下げていた。

松山千春氏の応援を受けた松山三四六候補は落選。