木澤佐登志氏寄稿のテキスト内にて、今号が特集するアーティスト・原口沙輔氏が影響を受けたと公言している音MADについての説明冒頭で言及されていました。内容は2021年7月にKAIYOU-Premiumで同氏が公開したコラム「ミームという亡霊は、いかにして“壁”を越えるか 日本アニメの脱文脈化を辿る」と同様のものでした。
ここでもう少し廻り道をして、原口沙輔の音の特異性について別角度から考えてみたい。ヒントとなるのは音MADだ。たとえば原口は、ケンカイヨシとの対談インタビューの中で、音MADからの影響を公言している。
(インタビュー引用部略)
音MADとは、ニコニコ動画などで公開されている、オーディオや音楽コンテンツを切り貼りして作られた映像作品、二次創作の一種を指す。
管見の限りでは、日本における音MADの始祖は、2002年頃に流行した「ムネオハウス」、あるいは2004年頃に流行した「オンドゥル・シリーズ」まで遡ることができる。サンプリング・ミュージックやナードコアの系譜を受け継ぐ形で、これら「既存の曲に素材の音を重ねてリズムに乗せる」タイプのMAD作品が現れ始めたと考えられる。
(後略)
木澤佐登志 「さようなら、すべての沙輔氏 原口沙輔の「感覚の論理」と「表現」」 『ユリイカ2025年11月号』 (青土社 2025) pp.100-101
当ページで把握している範囲では、ユリイカ誌上でのムネオハウスについての言及は2008年12月増刊号での初音ミク特集のとき以来、およそ17年ぶりになります。
備考
記事投稿日: 2025年12月1日


