露ソコロフ運輸相 北方領土を訪問

【モスクワ時事】ロシアのソコロフ運輸相が7日、北方領土国後島択捉島を相次いで訪問した。日本外務省関係者が明らかにした。空港や港湾施設の視察が目的とみられる。政府要人では、8月22日にメドベージェフ首相、9月1日にトカチョフ農相がそれぞれ択捉島を訪れたばかり。
外務省は在日ロシア大使館に対し、「領土問題に関するわが国の立場と相いれず、日本国民の感情を傷つけるものであり、極めて遺憾」と電話で抗議した。菅義偉官房長官も記者会見で「国民の感情を逆なでする」と批判した。
一方、同大使館はタス通信を通じ、「日本側の申し入れを一蹴した。ロシアの閣僚は職務に基づいて『ロシア領』を自由に移動できる。諸外国のいかなる許可も必要ない」と反論した。
メドベージェフ首相は8月、北方領土を定期訪問するよう閣僚に指示した。事実上の支配を誇示し、領土問題で日本をけん制する狙いがあるとみられる。政府要人が頻繁に訪れるのは極めて異例で、日ロ関係が決定的に悪化する恐れも出てきた。 
プーチン大統領の年内訪日を控える中、日本側は対ロ戦略の再考を迫られている。モルグロフ外務次官は2日、インタファクス通信に「(領土問題を)協議するつもりはない。70年前に解決済み」と強調。ロシア外務省は「公式見解」と確認した。(2015/09/07-19:18)<<