日露首脳 国連総会時の会談調整

政府は9日、安倍晋三首相が今月末に米ニューヨークでの国連総会に出席する際、中韓両国と首脳会談を個別に行う方向で調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。首相は、8月に閣議決定した戦後70年談話について、自らの真意を説明するなどして、中韓両国との関係正常化に道筋を付けたい考えだ。
中国の習近平国家主席とは、昨年11月と今年4月に会談しており、実現すれば3度目となる。政府は「既に2回会談しており、ハードルは高くない」(首相官邸筋)としており、中国側と両首脳のスケジュールをすり合わせている。
首相は当初、今月3日に北京で開かれた抗日戦争勝利70周年記念式典の前後に訪中することを検討したが、中国側と折り合いが付かず断念。国際会議の場を念頭に、両国間で調整を続けていた。
一方、韓国の朴槿恵大統領とは就任以来、短時間の接触はあるが、正式な会談は実現していない。韓国側は、いわゆる従軍慰安婦問題の進展を条件としており、今回も立ち話程度にとどまる可能性がある。その場合は、10月末にも韓国で開催される見通しの日中韓首脳会談に合わせ、2国間会談を模索する。
政府は、ロシアのプーチン大統領との首脳会談の機会も探る。メドベージェフ首相らロシア政府高官が北方四島を相次ぎ訪問したことで、日ロ関係は急速に悪化。安倍首相は、大統領に直接、北方領土交渉の促進を働き掛けたい考えだ。
米国のオバマ大統領とは、個別の首脳会談は見送る方向。複数国による会議などを利用し、接触を図る。 (2015/09/09-18:35)<<