日露両政府 11月APECでの首脳会談開催で基本合意

【モスクワ=遠藤良介】日本とロシアの両政府は26日までに、11月10〜11日に北京で開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際、安倍晋三首相とプーチン大統領の首脳会談を行うことで基本合意した。日露関係筋によると、双方は詳細な日程などの調整に入ることで一致しているという。
日本政府はウクライナ問題をめぐって米欧とともに対露制裁を発動し、今年秋に予定されていたプーチン氏の訪日も困難になっていた。日本側は北方領土問題などでの前進をめざし、日露関係の冷え込みに歯止めをかけたい考えだ。
APECでの個別会談は21日、安倍首相がプーチン氏との電話協議の中で提案し、ロシア側が前向きの反応を示していた。ウシャコフ大統領補佐官は26日、「APECの際に日露首脳が会談する可能性を排除しない」と露メディアに語り、この会談はプーチン氏の訪日に代わるものではないとの認識も示した。
日露首脳会談は2月、露南部ソチでの冬季五輪開会式の際に行われて以来となる。プーチン氏訪日の地ならしとして、延期されている岸田文雄外相の訪露も議題になるとみられる。

森喜朗元首相は27日のテレビ東京番組で、今月10日にプーチン露大統領とモスクワで会談した際、プーチン氏が「今秋の訪日日程は自分自身では何も変えていない。変えているのは日本のほうではないのか」と述べたことを明らかにした。ウクライナ情勢をめぐり、安倍晋三首相が欧米と協調姿勢をとることが訪日の妨げになっていると不快感を示した形だ。
森氏は、イワノフ露大統領府長官が24日に北方領土択捉島を訪問したことについて、「初めてのことではなく、ときどきそういうことは行われている」と述べた。<<