訪露中の森本首相 プーチン大統領に親書伝達へ / 択捉島の新空港開業へ

【モスクワ時事】ロシア訪問中の森喜朗元首相が10日、モスクワでプーチン大統領と会談する見通しとなった。複数の日ロ関係筋が明らかにした。ウクライナ危機後、日本の要人がプーチン大統領と会うのは初めて。森氏は安倍晋三首相の親書を大統領に手渡す予定。
日本は先進7カ国(G7)と協調して対ロ制裁を発動し、ロシアも報復として特定の日本人の入国禁止措置を発表。今年秋に予定されたプーチン大統領の公式訪日の実現が危ぶまれ、北方領土交渉の停滞も懸念されている。親書伝達には2国間関係の決定的悪化を避けたい意図がありそうだ。(2014/09/10-16:32)

北方領土を実効支配するロシアの航空当局は10日までに、択捉島に建設中の新空港に開業の許可を与えたと発表した。発表によると、紗那(ロシア名クリーリスク)近郊の新空港は2300メートルの滑走路を持ち、中型ジェット機の離着陸が可能になる。
サハリン州のメディアによると、新空港にはサハリン、ハバロフスク便が就航する計画。地元住民によると今後、開業式典も計画されているといい、ロシアによる支配強化につながるとして日本国内で懸念が高まる可能性もある。
択捉島では現在、旧ソ連の占領前に建設された空港が使われているが、濃霧が発生する太平洋岸に近く、欠航が頻発。2007年からロシア政府の「クリール諸島社会経済発展計画」による新空港の建設が進んでいた。(共同)<<