日本政府 谷内国家安全保障局長をロシア派遣へ

安倍晋三首相は8日午後、ロシアの軍事介入で緊張が続くウクライナ問題の平和的解決に向け、近く谷内正太郎国家安全保障局長をロシアに派遣する意向を明らかにした。首相は「日本、米国、欧州連合(EU)の統一的な考え方をプーチン大統領はじめロシア側に伝えていきたい」と述べた。視察先の福島県田村市で記者団の質問に答えた。
ウクライナ情勢をめぐっては、米欧が対ロ制裁に動く一方、ロシアは対抗姿勢を強めている。首相は、日本を含む先進7カ国(G7)首脳がロシア非難の共同声明を出したことや、7日のオバマ米大統領との電話協議で緊密な連携を確認したことを踏まえ、記者団に「日本、米国、EUがしっかりと協力し、この問題を平和的に外交によって解決していきたい。特にG7で共同歩調を取っていくことが大切だ」と語った。 
首相は「プーチン大統領と既に5回首脳会談を行い、外相レベル、事務レベルでロシアとの意見交換をずっと重ねてきた。日本としても(情勢改善に)協力し、役割を果たしていきたい」と強調した。
安倍政権は北方領土交渉への影響を考慮して米欧の対ロ制裁に同調することには慎重で、首相は8日も対ロ制裁には言及しなかった。(2014/03/08-17:26)<<