「MADテープ」から「音MAD」までの道のり(その2)@ニュトーイのブロマガ

ニコニコ上の所謂「音MAD」の源流を辿る記事で、以下のような感じで引き合いに出されていました。

・音MADは、どうして「MAD」なのか

さて、ここで疑問が出てきます。


「巫女みこFlashシリーズ」が流行した2chでは、「MAD」という呼び方をされることはほとんどありませんでした。それは、あくまで、「面白Flash」であり、「巫女みこ」でした。サンプリングミュージックやムネオハウス、DJなどに影響を受けたと思われるナードコア系の曲も流行しました(例えばショウヘイヘーイなど)が、それらは、「電波曲」「リミックス」などと呼ばれました(巫女みこも時として一緒にされました)。


当時、「MAD」と言えば、まず映像編集を行っているもののことで、「静止画MAD」であったり、「アニメOPパロ」であったり、アニメの会話場面などを切り貼りする「ネタ系MAD」やストーリー仕立てのMADのことでした。しかも、主に帯域やPCパワーの制限のため、積極的に環境を整えて収集するマニア以外の手には届きにくいものだったのです。「MADテープ」も、既に知る人ぞ知る存在でした。「MAD」の単語は当時の音MADとはやや離れたところにありました。「盗んでいきましたシリーズ」の流行当時にも、それらの動画に「音MAD」や「MAD」のタグを見かけることは少なかったと思います。


一方、Youtube板に音声MAD総合スレッドが立てられた時には、既にそれらは「MAD」の1ジャンルであるように語られています。ニコニコ大百科での位置づけも、「MAD」の1ジャンルとされています。音MADが「MAD」になったのは、一体どうしてなのでしょうか。


一つの仮説として、音MADの流行が、ニコニコ動画で起こったから、という理由を見つけることができます。動画サイトであるから、人気を得るために投稿者は積極的に映像を作成し、特にアニメ系ではMAD動画としての形をまとうようになったという説明です。


動画版「巫女みこターン」がニコニコで流行したことはその代表でしょう。「遊戯王」と「谷口」には、どちらも素材単位の「○○音系MAD」の古いタグが存在します。これらはどちらもアニメ素材であり、そのために、同じ流行ジャンルの中には、映像とネタを伴った「ネタ系MAD」がありました。「○○音系MAD」のタグは、音MADがその「遊戯王MAD」や「谷口」のジャンルタグの中で成長していった名残なのかも知れません。


とすれば、今、「音MAD」という名前でこのジャンルが呼ばれているのは、ニコニコ動画でアニメMADの形で流行ったから、ということが一つ大きな理由として挙げられそうです。

(後略)
「MADテープ」から「音MAD」までの道のり(その2):ニュトーイのブロマガ - ブロマガ (Internet Archive Wayback Machine)

前編も併せてどうぞ。

備考 (2021/10/08)

ニコニコユーザーブロマガは2021年10月7日をもって終了したため、リンク先はInternet Archiveになっています。