北方領土の日 / ロシア空軍戦闘機2機 利尻沖領空を侵犯

北方領土問題の早期解決を訴える「北方領土返還要求全国大会」が7日昼、東京都内で開かれ、安倍晋三首相はあいさつで「領土問題を解決に向けて進展させるよう強い意思を持ってロシアと交渉する」と力を込めた。
大会には安倍首相のほか元島民、国会議員、自治体関係者ら約1500人が参加。第1部は元島民らによるグループトークで、島に住んでいたときの思い出などが語られ、参加者らは「死ぬ前に生まれた場所に立ちたい」「ふるさとが目の前にあるのに行けない」と切実な思いを訴えた。続く第2部では各関係団体代表らが、それぞれの立場から領土返還を求めた。
今回は安倍首相が政権に返り咲いてから初の大会となり、出席した元島民の松村智さん(81)は「安倍首相は他の人より領土問題について言うべきことは言うので期待している。自分が元気でいるうちに島に戻れるようにしてほしい」と期待を寄せた。
択捉以南の北方四島安政2年(1855年)2月7日に調印した日露通好条約で日本の領土と確認された。これにちなんで政府は2月7日を「北方領土の日」と定め、毎年この日に全国大会を開いている。

防衛省は7日、ロシア空軍の戦闘機2機が北海道・利尻島南西の日本領空を侵犯したと発表した。ロシア機の領空侵犯は2008年2月以来約5年ぶりで、旧ソ連時代を含めると34回目。
領空侵犯を受け、外務省の宇山秀樹ロシア課長は同日、在京ロシア大使館のジョスキー参事官に厳重に抗議、事実関係を調査するよう求めた。ロシア側は「本国に確認する」と回答した。
昨年12月には中国機による初の領空侵犯があったばかりで、防衛省は警戒を強めている。
同省によると、7日午後、ロシアのSU27戦闘機2機が接近しているのを探知した航空自衛隊が、青森県三沢基地からF2戦闘機計4機を緊急発進させた。同基地が無線で領空に入らないよう通告したが、午後2時59分から同3時までの1分11秒間、領空に侵入。再度無線で警告したところ退去したという。ロシア機からの応答は確認できなかった。 
ロシア機は08年2月9日に伊豆諸島南部で領空侵犯。北海道周辺では、06年1月25日に礼文島北方の領空を飛行している。
7日は「北方領土の日」に当たるが、防衛省は「ロシア側の意図は不明」としている。(2013/02/07-21:40)

【モスクワ時事】ロシア軍の東部軍管区(司令部ハバロフスク)報道官は7日、声明を出し「(全ての)ロシア軍機は国際法を順守しており、外国領空は侵犯していない」と述べ、ロシアの戦闘機が日本領空を侵犯したとする日本防衛省の発表を真っ向から否定した。
ロシア軍は5日から北方領土と千島列島で大規模な軍事演習を実施中。報道官は7日に戦闘機などが参加する本格的な訓練が行われたとしており、領空侵犯と関連している可能性がある。偶発的でなければ、沖縄県尖閣諸島をめぐって中国と摩擦を抱える日本の出方をロシア側が探ったとも考えられる。 
安倍晋三首相とプーチン大統領は昨年末の電話会談で、領土問題の解決を目指すことで一致。年内の首相公式訪ロを調整中で、2月中の森喜朗元首相の首相特使派遣も控える中、期待される日ロ交渉の前進に冷や水を浴びせた形だ。
東部軍管区によると、兵員1000人規模の今回の陸海空軍による総合軍事演習には、戦闘機のほか、太平洋艦隊の潜水艦を含む艦艇などが参加。具体的な期間や場所は明らかにされておらず、報道官はこれより先、対潜水艦哨戒機がオホーツク海北方領土の上空で通常飛行訓練を行ったとのみ公表していた。
7日は日本の「北方領土の日」に当たる。ロシア軍は昨年2月7〜8日にも爆撃機2機による日本列島周辺の哨戒飛行訓練を行ったが、この時は領空侵犯はなかった。(2013/02/07-22:10)

ロシア側は即否定。