鈴木宗男 地元で熱弁を振るう / 根室市議会 戦略的四島交流推進へ議論

【足寄】新党大地代表の鈴木宗男衆院議員が16日午後、仮釈放後初めて道内入りし、出身地の足寄町内で開かれた地元後援会主催の集会に出席した。「(政治家として)消費期限が残っている限り頑張る。与えられた環境、立場で存在感を示す」と語り、政治活動継続に意欲を示した。
鈴木前議員は受託収賄など4つの罪で服役し、6日に仮釈放された。16日は釧路空港経由で足寄入りした。集会には支援者ら160人が集まり、典子夫人、新党大地の浅野貴博衆院議員、山崎泉道議、安久津勝彦足寄町長らも参加した。
鈴木前議員は参加者一人一人と握手し、「今日の握手は何にも代え難い。帰る場所があるのだと言い聞かせて耐えながら、しかし今に見ていれという気概を持って365日を送った」と話した。
服役中は「衛生係という特別な仕事でエリートコース」を歩んだとし、「作業着の色は大地カラーのグリーン。そこまで配慮しているのかと勝手に解釈した」と振り返った。
検察批判も展開し「真実だけは明らかにしたい」と主張。現政権に対しては「TPPや消費税増税と余計なことを考えず(震災からの)復興一点張りでやるべきだ」と訴えた。
同日は陸別町内の会合にも出席。17日は足寄町大誉地で墓参りし、北見に入った。24日には帯広市内で、十勝総連合後援会が主催する「大望年会」に参加する。

北方領土返還に向けた「戦略的な北方四島交流」の実現を目指し、根室市議会は16日から具体的な提言に向けた特別委員会での論議をスタートさせた。北方領土をめぐるロシアとの外交交渉に具体的な進展のない中、地元自治体として北方四島との経済交流もままならない現状を打開する狙い。主権問題を害さない形で地域振興に結び付くような新たな交流の姿が見いだせるかどうか、論議の行方が注目される。
「戦略的な北方四島交流」の発想は、5年前に国などに提出した「北方領土問題の解決に向けた再構築提言書」の中で、「ポスト四島交流」として盛り込まれたビザなし交流などの四島交流の活性化策が始まり。
今年ビザなし交流20周年を迎え、従来以上に返還に資する戦略的なものに変えていこうと、隣接する1市4町などで構成する「北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会」(会長・長谷川俊輔根室市長)が議論を進めている。
主な項目は(1)四島在住ロシア人への日常的生活物資の供給(2)四島周辺海域の水産資源の適正管理と資源増大(3)医療支援(4)自然環境の保全(5)多様な交流の実現(6)地震対策−−など7項目。
この日の特別委では委員からは「返還に寄与し、経済振興にもつながり、外務省が受け入れられるような提案を絞り込んでいく必要がある」などの意見が出された。
根室市議会は年明けに各会派で意見を集約して議論を深める。同協議会は他の4町の議論の内容も加えて、早ければ年度内にも国などに具体的な提言をしたいとしている。【本間浩昭】<<