鈴木宗男氏「今回も小さな火遊びが大火事になる様相」 他

ロシア通で知られる日本維新の会鈴木宗男参院議員(74)が11日に更新した自身のブログで、ロシアが併合して「不可分の領土」と主張するクリミア半島とロシア本土を結ぶ支配の象徴、クリミア橋の爆発などについて論じた。


「クリミア橋、爆破をロシアプーチン大統領は『ウクライナの情報機関がテロ行為を命じ実行した』と断じ、ウクライナ全土に攻撃を始めた」とした鈴木氏。ロシアによるウクライナ侵攻について、「ロシアの特別軍事行動もウクライナが昨年10月23日、親ロシア地域へ自爆ドローンを飛ばし、さらに今年2月19日のミュンヘンでのゼレンスキー大統領が演説で、ブタペスト覚書の再協議、裏を返せば核を持たせろと発言したことによりスタートした経緯がある」と説明した上で、「今回も小さな火遊びが大火事になる様相である。どちらが『善、悪』という価値観ではなく、どうしてこういう事態になったのかを冷静に考えるべきである」と訴えた。


ウクライナのゼレンスキー大統領が7日、北方領土に言及し「日本の主権と領土保全を尊重する」と話し、大統領府は北方領土について日本の立場を支持するとの大統領令を公表したことについても、「無責任な話」と一刀両断。「今、ウクライナを支援しているアメリカ、イギリス主導してヤルタ協定国連憲章ポツダム宣言サンフランシスコ平和条約と、戦勝国で作られた戦後の国際秩序を作ってきた。そのアメリカ、イギリスが中心となりウクライナを支援し、ロシアと対峙している」と続けた。


その上で、「突如、思い付きの話をしても国際的に通用しない。逆に当事国であるロシアが不信感、不快感を持つと北方領土問題はなお、遠くに行ってしまう。日本側としては今はじっと我慢して『時』を待つしかない。まさに祈るような気持ちで一杯だ」とつづった。

ロシア本土とウクライナ南部を結ぶクリミア橋の爆発に対する報復として、ウクライナ各地に大規模なミサイル攻撃を続けるロシア。複数のメディアによると、10月10日、11日の2日間でウクライナに向けて発射されたミサイルは100発を超えている可能性があるといい、死者は少なくとも30人にのぼると報じられている。

ロシアの強固な姿勢に震撼が走るなか、日本維新の会鈴木宗男参院議員(74)が連日更新しているブログが“ロシアを擁護している”として物議を醸している。

7日、ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で「北方領土を含む日本の主権を尊重することを確認した」と述べ、北方領土を日本領と認める大統領令に署名したことが明らかになった。

これを受けて鈴木氏は、10日に更新したブログで《単純に考えれば日本を支持する立場のように見えるが、有難迷惑な話である》と真っ向から批判。その理由として、《戦後の国際的諸手続き(ヤルタ協定国連憲章ポツダム宣言サンフランシスコ平和条約等)で、ロシアが現在実行支配しており、二国間で解決すべき問題であり、いわんやロシアを刺激しても何も得るものはない》と持論を展開した。

続けて鈴木氏は、ロンドンサミット(91年)やミュンヘンサミット(92年)で北方領土問題は日本とロシア間の問題だと結論付けられ、その後、G7でも取り上げられなかったとも主張。その上で、こう呼びかけたのだった。

ウクライナが日本を表向き支持する姿勢を示しているが、国際的には何の影響も与える事は出来ない。この事についても表面だけを見るのではなく、歴史的経緯、事実を踏まえて判断して戴きたい。外交は積み重ねであり、正しい歴史の事実に基づいて努力していくしかないのである。この事を多くの人に理解して戴きたい》

そんな鈴木氏の主張は続き、11日に更新したブログでは“ロシアによる軍事侵攻はウクライナに原因がある”とも取れる意見を述べている。

《ロシアの特別軍事行動もウクライナが昨年10月23日、親ロシア地域へ自爆ドローンを飛ばし、さらに今年2月19日のミュンヘンでのゼレンスキー大統領が演説で、ブタペスト覚書の再協議、裏を返せば核を持たせろと発言したことによりスタートした経緯がある。今回も小さな火遊びが大火事になる様相である。どちらが「善、悪」という価値観ではなく、どうしてこういう事態になったのかを冷静に考えるべきである》

《今になって「北方領土を日本の主権と領土保全を尊重する」というのは無責任な話である。今、ウクライナを支援しているアメリカ、イギリス主導してヤルタ協定国連憲章ポツダム宣言サンフランシスコ平和条約と、戦勝国で作られた戦後の国際秩序を作ってきた。そのアメリカ、イギリスが中心となりウクライナを支援し、ロシアと対峙している》

《私が「有難迷惑な話」というのは、外交は積み重ねであり、事実を踏まえなければならない。突如、思い付きの話をしても国際的に通用しない。逆に当事国であるロシアが不信感、不快感を持つと北方領土問題はなお、遠くに行ってしまう》

このような鈴木氏の見解に対して、ブログには《私は鈴木宗男先生のご意見を支持します》《全く鈴木先生のおっしゃる通りだと思います。これほど説得力、多くの人たちが頷く主張だと確信します》と賛同の声が。

しかし、鈴木氏の一連の主張がネットニュースで報じられると批判が相次ぐ事態に。

《思いっきりロシアよりの発想ですよね》
《小さな火遊びとは?失言にも程があるのでは?》
《彼が国会議員で、このような発言をしていると、日本には今回の侵略で、ロシアの正当性を支持する人もいるのだなと思われてしまいます》

そんな鈴木氏の物議を醸す発言は、維新の会にも“飛び火”しており厳しい声が上がっている。

《これが日本の国会議員の言うことか。維新は何をやってるんだ》
《鈴木氏の主張は尤もらしく聞こえるが、彼の言論が常にロシアに寄り添っているのは何故?日本維新の会は見過ごすの?》
《維新は鈴木宗男をこれ以上放置するな、支持率が急落してるのは、間違いなく鈴木宗男の度が過ぎたロシア擁護だぞ》

大阪市長で同党顧問の松井一郎氏(58)は今年3月、ウクライナ側の対応を問題視するような発言をした鈴木氏についてTwitterでこうフォローをしていた。

《鈴木議員は、永年、北方領土返還に尽力してきた当事者として忸怩たる思いでの発言だが、あくまでもウクライナ国民は被害者であり、プーチン大統領の暴挙は認められないとの認識です。僕が直接電話で発言趣旨は確認しています》

止まらない鈴木氏の“暴走”に批判が高まるなか、日本維新の会の対応にも関心が高まっている。