「北方領土は日本」ゼレンスキー大統領の発言を「有難迷惑」と断罪した鈴木宗男氏に怒りの声

10月10日、日本維新の会鈴木宗男参院議員が、自身のブログを更新。ウクライナのゼレンスキー大統領が北方領土に言及したことに関して、《有難迷惑な話》とつづった。


10月7日、ゼレンスキー大統領はビデオ演説で、「ウクライナは、北方領土を含む日本の主権と領土保全を尊重することを確認した」と述べた。その上で、同じ趣旨の大統領令に署名し、ウクライナ最高会議(議会)も同様の声明を出したことを明らかにしていた。


鈴木氏は、《単純に考えれば日本を支持する立場のように見えるが、有難迷惑な話である》と断じ、その理由についてこう指摘した。


《戦後の国際的諸手続き(ヤルタ協定国連憲章ポツダム宣言サンフランシスコ平和条約等)で、ロシアが現在実効支配(編集部注:原文は「実行支配」)しており、二国間で解決すべき問題であり、いわんやロシアを刺激しても何も得るものはない》


さらに、北方領土問題について、1990年代のG7サミットで議題になったことはあったが、


《この問題は多国間で協議する話ではない、日本とロシアの二国間の問題だと結論付けられ、その後、G7でも取り上げられる事はなかった。


今回、ウクライナが日本を表向き支持する姿勢を示しているが、国際的には何の影響も与える事は出来ない。この事についても表面だけを見るのではなく、歴史的経緯、事実を踏まえて判断して戴きたい》


と持論を述べた。鈴木氏が《有難迷惑な話》とブログにつづったことが報道されると、ネット上では《筋としては正しい》など賛意を示すツイートと同時に、批判の声も数多く投稿された。


《最初はもちろん北方領土返還のために「ロシアを刺激しない」「プーチンを怒らせない」であったろうが、最近の宗男氏はロシアを刺激しない、が目的化しているように見受けられる。本末転倒である》

《もしかして鈴木氏にとっては、北方領土返還への取り組みは返還が目的ではなく、ロシアとの友好やロシアの利益が目的なのではないかという疑念を持ってしまいますし、鈴木氏の方が迷惑な話ばかりをしています》

《政治家やめろ!税金のムダ使いや》

《何か違和感。日本の立場で見ているか?》


10月5日、鈴木氏は都内で開かれたロシア・ガルージン駐日大使の講演会に参加し、ウクライナについて「鈴木宗男が(横綱の)照ノ富士にかかっていくようなものだ。どんなことをやっても勝てない。武器供与をやめれば収まる話だ」と指摘している。


鈴木氏はロシアのウクライナ侵攻以降、「原因を作ったほうにも責任がある」とウクライナへの批判を続けており、5日のブログでは、《一にも二にも停戦に向け、お互い努力すべきではないか》と書いている。その願いは届くだろうか。


( SmartFLASH )