鳩山由紀夫 クリミア編入を肯定する発言

【モスクワ真野森作】ロシアメディアによると、ウクライナ南部クリミア半島を訪問中の鳩山由紀夫元首相は11日、「民主的な住民投票を通じて、どう領土問題が解決されたか納得できた」と述べ、昨年3月のロシアによる一方的なクリミア編入を肯定的に捉える考えを示した。日本や欧米諸国が編入国際法違反と批判する中、波紋を広げそうだ。
クリミア南部ヤルタの地元首長との面会時に語った。「世界史に残る出来事になる」「住民投票ウクライナの法令にも合致していたことが分かった」などとロシア政府の見解に沿った感想も披露したという。
現地の記者団には、「市民が幸せに暮らしている様子を見ることができた。軍事的影響を受けずに住民投票が実施されたのは明確だ。西側メディアは偏っている」と述べた。今回の訪問を日本政府に批判されたことについては、「批判があるのは我々の仕事が重要だからだ」と主張。「日本社会に編入の真実を伝える」と述べた。
クリミア編入について、ロシアは昨年3月に親ロシア派主導で実施した住民投票で「賛成が9割」だったことを根拠に正当化してきた。だが、プーチン露大統領は今月9日放映のインタビューで、昨年2月にウクライナの親露政権が崩壊した直後に編入を決断したと明らかにしていた。

菅義偉官房長官は11日の記者会見で、鳩山由紀夫元首相のウクライナ南部クリミア半島の訪問について「日本政府の立場に著しく反する」と強く批判した。政府は直前まで鳩山氏に再考を求めており、「首相まで経験した政治家として、あまりにも軽率で極めて遺憾だ」と述べた。

高村正彦自民党副総裁
鳩山由紀夫元首相が、ロシアが昨年ウクライナから一方的に併合したクリミア半島にロシアのビザで行ったことは、力による現状変更は認めないという日本の立場と相いれない。民主党枝野幸男幹事長が鳩山さんのことを「元自民党の議員でもあり、元民主党の議員でもある」と言って民主党との関係性を薄くしようとしていると伝えられている。鳩山さんがクリミアに行ったことが問題なのは、元議員だからではなくて元首相だからだ。この方を民主党が首相にしたということが、在任中だけでなく、いまだに国益を害しているということについて、少しは責任を感じてもらいたいものだ。(自民党本部で記者団に)<<