安部首相 11月APECでの日露首脳会談開催を提起 / 択捉島の新空港 開港

菅義偉官房長官は22日午前の記者会見で、安倍晋三首相がロシアのプーチン大統領との電話会談の中で、11月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に日ロ首脳会談を行いたいと提案したことを明らかにした。ウクライナ情勢の影響により日ロが「今秋」で合意していた大統領来日のめどが立たない中で首相は、首脳対話の機会を確保する必要があると判断したとみられる。
日ロ首脳の電話会談は、21日行われた。菅長官によると、この中で首相は「11月のAPECを含めてマルチの国際会議の場を活用して日ロ間の対話を行うことが重要だ」と提案。大統領は「対話を継続していくことが大事だ」と応じた。(2014/09/22-12:10)

安倍晋三首相は、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、プーチン・ロシア大統領と首脳会談を行うため調整に乗り出した。ウクライナ危機に伴い大統領来日が困難となる中、北方領土交渉を後退させないためだ。ただ、日本は対ロ制裁で主要7カ国(G7)と足並みをそろえる必要もあり、日ロ対話の進展は望めそうにない。
首相は21日収録のNHK国際放送番組で「日ロ間にはいまだに平和条約が締結されていない。首脳間の対話は必須だ」と強調。菅義偉官房長官も22日の記者会見で「北方領土問題で双方受け入れ可能な解決策を見いだすべく、粘り強く交渉に取り組みたい」と語った。
だが、両国が「今秋」で合意していた大統領来日は調整が進まず、日本側では「もう時間がない」(政府高官)と悲観論が強まっている。一方、ウクライナ情勢は国連総会やG7外相会談の重要テーマで、日本がより厳しい態度で臨むよう迫られるのは必至。日本は欧米に比べ「周回遅れ」と指摘され、追加制裁の具体化を余儀なくされている。APECの際の日ロ首脳会談は、対話を途絶えさせないための「次善の策」と言える。(2014/09/22-19:42)

【モスクワ=石川陽平】北方領土択捉島で22日、ロシア政府が整備した新空港「イトゥルプ空港」の開港式が開かれ、民間機の運航が始まった。北方領土を含むクリール諸島の政府開発プログラム「2007〜15年のクリール諸島社会経済発展」の目玉事業。サハリン島やロシア本土との交通の便が改善される。ロシアが北方領土の実効支配を強める動きで、日本側の反発を招きそうだ。<<