ロシア ラブロフ外相 「プーチン大統領の訪日、影響なし」 他

ロシアのラブロフ外相は25日の記者会見で、秋にも予定されているプーチン大統領の訪日について問われ、「ウクライナ危機とは関連づけていない」と述べ、現時点で訪日の計画に影響はないとした。ラブロフ氏はまた、「大統領が招待を受け、日本側が時期を確認した」とも話した。
ただ、ウクライナ情勢をめぐっては、日本政府が対ロ制裁に踏み切り、ロシア政府も報復制裁を実施した。ロシアが今月、北方領土を含めた地域で軍事演習を行い、日本政府が厳重抗議したこともあり、秋の訪問は絶望的とみられている。
今回のラブロフ氏の発言は、プーチン大統領が訪日できなかった場合、日本側に責任があると示唆する狙いがあるとみられる。(モスクワ=中川仁樹)
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菅義偉官房長官は26日の会見で、ラブロフ氏の発言について、「訪日の(詳しい)日程については何ら決まっていない。様々な要素を総合的に考慮して検討していきたい」と述べた。

北海道の根室半島北方領土国後島をかつて海底で結んだ通信ケーブルの陸揚げ施設が戦争遺跡として整備されることになった。北海道根室市が領土問題の理解を深めてもらおうと、根室側施設の保存に乗り出した。
市によると、この施設は根室湾に面した「根室国後間海底電信線陸揚施設」。鉄筋コンクリート造り、窓付きの1階建てで、間口約3.8メートル、奥行き約5.9メートル、高さ約3.7メートル。正面には門柱2本も残る。郵便や通信などを所管した旧逓信省が1900年(明治33年)ごろに整備した。
陸上の電信線と海底ケーブルを中継する機能を持ち、国後側のケラムイ崎にも同様の施設があった。両施設間には約38.2キロのケーブルが敷設されたが、戦後、旧ソ連、日本双方がそれぞれ切断したとされる。
根室側の施設は戦後、民間に払い下げられた。ケーブルは撤去され、長らく漁具などの倉庫に使われてきた。海風を受けて風化が進む施設の保存を求める声が高まり、市は2013年7月、施設や周辺の土地を購入。ごみや堆積土を片付け、今年中に案内看板を設置する予定になっている。
北方領土対策課の織田敏史課長は「北方四島に日本人が住んでいたことを示す貴重な施設だ。領土問題の啓発に役立てたい」と話している。〔共同〕<<