安部首相 北方領土でのロシア軍事演習「受け入れられぬ」/ ロシア 特定日本人の入国制限へ

安倍晋三首相は22日午前、首相官邸自民党衛藤征士郎外交・経済連携本部長と会い、ロシアが北方領土で軍事演習を行ったことに抗議する決議文を受け取るとともに、演習について「到底受け入れることはできない。党の申し入れを重く受け止める」と述べた。今秋のプーチン大統領の来日の可能性については言及しなかったという。(2014/08/22-12:50)

【モスクワ田中洋之】ロシア政府は22日、ウクライナ情勢をめぐり対露制裁を発動した日本への対抗措置として、特定の日本人のロシア入国を制限することを決めた。モルグロフ外務次官が原田親仁駐ロシア大使に対し、対象者のリストを手渡した。具体的な名前や人数は公表されていない。ロシアは日本の対露制裁に絡み、8月末にモスクワで予定されていた日露外務次官級協議を一方的に取りやめたりしているが、日本人の入国制限のような明確な形の対抗措置は初めて。日露関係の悪化が進みそうだ。

根室北方領土問題対策協会(東京)は21日、ビザなし交流船えとぴりか(1124トン)が接岸する根室港岸壁に待機所を設置した。訪問団員らが風雨にさらされるのを防ぐための施設で、ビザなし渡航の自由訪問の一行が出発する22日から開放する。
待機所は工事現場などで使う仮設ハウスを4棟連結した形で設置。ビザなし渡航の出発式などにも利用する。広さは約68平方メートルで、いすは30席ほど用意した。壁には歯舞群島の多楽尋常高等小学校や、勇留島金刀比羅神社祭の様子などを写真で紹介している。
待機所の設置をめぐっては、政府は高齢化する元島民からの要望を受け、2月中旬の衆院沖縄北方問題特別委で山本一太沖縄北方担当相が簡易的な施設を本年度中に整備する方針を示していた。
千島歯舞諸島居住者連盟理事の柏原栄さん(83)は「見送りの際、風雨にさらされるのはつらかったので大変ありがたい」と話していた。(丸山格史)<<