ロシア エストニアと国境策定 残る係争地域は北方領土のみに

【モスクワ西田浩雅】ロシアのラブロフ外相とエストニアのパエト外相は18日、モスクワで会談。両国間の係争地域となっていたロシア人居住地約2300平方キロについてエストニアが領土要求を放棄し、ロシアへの帰属を定める内容の国境画定条約に調印した。
条約は、両国議会の批准により、今春にも発効する見通し。ロシアは中国、ノルウェーなどとの国境画定を既に終えており、残る係争地域は事実上、北方領土のみとなる。
エストニアは1940年に旧ソ連に併合された際、1920年の帝政ロシアからの独立時の国境より西側に境界を引かれたと主張。91年の旧ソ連からの独立時に領土回復を要求し、その後はロシアとの係争となった。
両国は2005年、いったんは国境画定で合意。しかしエストニア議会が批准の際、旧ソ連を非難する内容の覚書を付け加えたことにロシアが反発して合意を撤回。両国は12年に交渉を再開し、昨年10月に妥結していた。

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は18日、モスクワで開かれた記者会見で、ロシアは日本との間に領土紛争なるものがあるとは考えていない、と述べた。
国際法に基づく現実は、広く認められ・国連憲章の中で固定された第二次世界大戦の結果が存在するということに尽きる。我々がこの問題の解決の道を討議するとき、この現実から出発しなければならない」とラヴロフ外相は強調した。
ロシア外相によれば、両国の間には国境線をめぐる問題の正常化に関する作業を「双方に受け入れ可能な解決を見つけるべく」継続していく合意が存在する。

ちゃんと牽制。