森元首相 「北方領土一部を共同管理も」

森元総理大臣は、福岡市で講演し、北方領土問題について、「ロシアが返還できないなら、特区にして両国で経営するやり方もあると思う」と述べ、問題の解決に向けて、一部の島を日ロ両国で管理する方法なども柔軟に検討すべきだという考えを示しました。
この中で、森元総理大臣は北方領土問題について、「どちらの国も負けたことにならない具体案を日ロ両国の政府が真剣に考えている。安倍総理大臣とプーチン大統領が、安定した政権基盤の下で意見交換して解決できれば、戦後処理の最大の成果になる」と述べました。
そのうえで、森氏は「何が何でも4島返還ということではなく、どうしてもロシアが返還できないなら、特区にして両国で経営するやり方もあると思う。安定した東アジアをつくるためには、日本が遠慮してでも、ロシアとしっかりと手を組む政治的決断をすべきだ」と述べ、問題の解決に向けて、一部の島を日ロ両国で管理する方法なども柔軟に検討すべきだという考えを示しました。
また、森氏は、衛藤総理大臣補佐官が、安倍総理大臣の靖国神社参拝に関するアメリカ政府の声明に反論する動画を公開したことについて、「『アメリカに失望した』というのは、分からないこともないが、総理大臣補佐官が言うのは問題がある」と述べました。

菅義偉官房長官は21日の記者会見で、森喜朗元首相が北方領土問題に関し日露両国により特区の形で共同経営する案を示したことに関し「個別の解決策へのコメントは、これからの交渉に支障を来す恐れがあり控えたい」と評価を避けた。
同時に「政府としては北方四島の帰属問題を解決し、ロシアと平和条約を締結するのが基本的な方針だ」と強調した。<<