日露2プラス2 明日初開催

岸田文雄外相は1日、日ロ初の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)のため来日したロシアのラブロフ外相と外務省飯倉公館で会談し、北方領土交渉に関する実質的な協議の場となる次回次官級協議を来年1月末から2月上旬の間に開催することで一致した。来春をめどに岸田氏が訪ロし、改めて外相会談に臨むことでも合意した。
岸田氏は会談で「われわれ外相が、平和条約締結交渉をはじめ広範な分野での日ロ関係の発展をリードしていくべきだ」と強調。ラブロフ氏は会談後の記者会見で「対話は建設的な形で感情的にならず、挑発的発言を避ける環境の中で行うべきだ」と主張した。
両外相は、ロシア国内で活動する日本企業への規制を緩和する協定の締結に向け、交渉を始めることでも合意。この後の夕食会では、シリア情勢やイランの核問題に日ロが連携して対応していくことを確認した。
一方、小野寺五典防衛相も1日、防衛省でショイグ国防相と会談。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍備増強に懸念を示し、「中国とは友好関係を築きたいが、幾つか問題がある」と沖縄県尖閣諸島をめぐる日中対立の現状を報告した。また、安倍政権が掲げる「積極的平和主義」の理念や、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しについて説明し、「近隣諸国に脅威を与えるものではない」と理解を求めた。
これに対し、ショイグ氏は「率直な意見交換ができたことは、相互の信頼向上に大きく貢献する」と表明した。日中間の対立には言及しなかった。双方はテロ対策や大量破壊兵器の拡散防止に向け、日ロ協力を強化することを確認した。 
4閣僚は2日午前、2プラス2にそろって出席。ロシア側は、アジア太平洋地域に新たな「安全保障協力の枠組み」を設けることを提案。日米のミサイル防衛体制について日本側の説明を求めるとみられる。(2013/11/02-00:23)

【モスクワ時事】岸田文雄外相は31日配信されたロシア・インタファクス通信とのインタビューで、懸案の北方領土問題について「(日ロは)次世代に残すべきではない」と述べ、今の世代での解決を訴えた。東京で1日に行われる日ロ外相会談を前に語った。
岸田氏は「日ロが真の相互信頼関係を築き、2国間協力の急速な発展を得るためには、問題を次世代に残すべきではない。双方は問題解決策を見いだすため、知恵を絞るべきだ」と強調した。 
また、ロシア側が2日の日ロ外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で日米のミサイル防衛(MD)に懸念を示す見通しであることに触れ「日本のMDシステムは専守防衛的なものだ」と主張。ロシアを含む諸外国にとって脅威にはならないとして理解を求めた。(2013/11/01-01:42)

防衛省は1日、ロシアのIL20電子偵察機日本海上空を飛行し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表した。領空侵犯はなかった。
同日午後には東京都内で日本とロシアの防衛相会談があり、2日には両国初の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)が開催される。今後の防衛協力が議題だが、防衛省の辰己昌良報道官は記者会見で「公海上の飛行であり、問題になるものではない。引き続き警戒監視に万全を期していく」と述べた。 
同省統合幕僚監部によると、ロシア機は1日午前から午後にかけて、隠岐諸島沖の日本海を南西方向に飛行し、対馬沖で反転して同じルートを戻り、ロシア本土方向に飛び去った。(2013/11/01-18:06)

以上、前哨戦。