参院選終了 新党大地 得票率でも政党要件満たせず / 週プレは公選法違反を指摘 他

新党大地鈴木宗男代表)は参院選に擁立した候補11人がいずれも敗北し、比例代表の得票率も0・98%と政党要件の「2%以上」に届かず、政党交付金を受け取るために必要な政党要件を回復できなかった。
公職選挙法は政党要件を《1》所属国会議員が5人以上《2》直近の国政選挙で全国の有効投票総数の2%以上の得票―と規定。大地の比例代表の得票数は全国の有効投票総数約5479万票のうち52万3146票にとどまり、現職国会議員は鈴木貴子衆院議員1人となった。
比例代表の個人名票の得票順位は、鈴木代表と同姓同名の会社役員鈴木宗男氏が6万2902票で1位。2位は松木謙公氏の3万8721票だった。<北海道新聞7月22日夕刊掲載>

得票率0.98%、得票順位トップは"候補"の鈴木宗男氏。

(前略)

鈴木氏に再び逮捕される可能性があるとは、いったいどういうことか?

公民権(選挙権・被選挙権を行使する権利)停止中の鈴木氏が選挙期間中に行なった“政治活動”が“選挙運動”だと見なされる可能性があるのです」(マスコミ関係者)
(中略)

実際に取締りを行なう警察関係者はどう見るのか。

山梨県警熊本県警で捜査二課長を務め、選挙違反事件の捜査を担当したことのある原田宏二氏(元北海道警釧路方面本部長)に聞いた。
「やはり、その人物の発言などに、特定の立候補者や政党に対する投票依頼行為があったかどうかがポイント。これがあった場合は選挙運動に当たり、取締りの対象になります」
となれば、鈴木氏の期間中の活動は何も問題ないように思える。だが、それでも逮捕説が囁かれていたのには理由がある。
例えば、7月10日、鈴木氏は東京・有楽町で、党の街宣車の上で約30分にわたって党の政策を訴え、車から降りた。その後、党の比例代表立候補者がその車に上がって演説している。鈴木氏は特定の候補者への投票依頼をしたわけではないが、有権者には政治活動か、選挙運動かの見分けは難しかったのではないか。そんな見方もできるからだ。
しかも今回、同党には鈴木氏と“同姓同名”の立候補者がいた。鈴木氏は自身のブログに「鈴木宗男候補の人間性、今までの活動実績、そして何よりも理念、志が合致しているうえでの公認です」(7月5日付)と書いているが、これについては「『鈴木宗男』の名を生かして票の上積みをしようとの思惑がちらつく」など批判的な見方をするメディアやネットの書き込みもあった。例えば、鈴木氏が街頭演説で「鈴木宗男です」と自己紹介したとする。それが同姓同名の立候補者を支援していると受け取られる可能性もあるというのだ。
では、実際に鈴木氏が公職選挙法に違反したとして逮捕される可能性はあるのか。まず、公職選挙法を所管する総務省に聞いてみた。
総務省には取締りの権限はありません。警察の判断になります」(総務省選挙課)
では、警察庁の見解はどうか。
「選挙違反の取締りを行なうのは都道府県警察。個別事案が公選法違反に当たるかどうか、警察庁としては回答できません」(警察庁広報室)
だが、この警察庁の回答について、前出の原田氏が指摘する。
「選挙違反事件は各警察本部の本部長指揮になりますが、捜査に着手する場合は事前に警察庁の了解を得ます」
さらに原田氏はこう続ける。
「今回、警察庁が政治的判断をする可能性はあります」
警察には、時の政権与党に対して“配慮”があるとされる。民主党政権時、新党大地は与党側だったが、自民党政権下の今回の参院選では野党だ。しかも、鈴木氏の知名度は全国的にも高い。選挙違反摘発の実績をあげたい警察にとっては格好のターゲットになる可能性もあるのだ。
全国を遊説した鈴木氏の言動を各地の捜査員がチェックしていたと考えられるのだが、果たして、警察は動くのか。参院選後のここ1週間がヤマ場になりそうだ。
(取材・文/西島博之)

今回の参院選では公示前からワタミ会長・渡邉美樹氏の配布した社内ビデオが公選法が禁止する事前活動に当たると文春が追求している他、東京選挙区で当選した山本太郎氏の陣営の「100万人のメールメール大作戦」や20時以降のビラ配布などが問題として指摘されています。
どうなりますでしょうね。

衆院選に続く民主党の大敗は、「トロイカ」と呼ばれた鳩山由紀夫菅直人両元首相と小沢一郎元代表の時代が名実ともに終わったことも印象づけた。
3人で唯一、民主党籍がある菅氏は、なりふり構わぬ言動を展開した。
東京選挙区(改選数5)で党が公認から外した現職を「反原発」を理由に支援。細野豪志幹事長から「しばらく黙っていてほしい」と自制を求められても無視した。
16日には、東京電力福島第1原発事故をめぐり安倍晋三首相が「菅総理の海水注入指示はでっち上げ」と題したメールマガジンを掲載し続けているのは名誉毀損(きそん)だと訴訟を起こしたが、逆効果だった。
小沢氏が率いる生活の党は改選の6議席を失った。「小沢王国」、岩手選挙区(改選数1)では、たもとを分かった無所属の平野達男前復興相に公認新人が大差で敗れた。小沢氏は21日夜の記者会見で、平野氏を「このような生き方をしている人に、岩手県で大きな支持が集まることは信じられない」と批判した。ただ、小沢氏が自民離党後に岩手で擁立した候補の敗北は初めて。落日を象徴する「事件」となった。
鳩山氏は尖閣諸島沖縄県石垣市)をめぐり中国に理解を示す発言をし続け、「極めて不適切」(細野氏)と強い反発を浴びた。トロイカ「プラス1」の輿石東参院議員会長も、地元・山梨に張り付いて民主推薦候補を応援したが、自民党議席奪回を許した。

菅直人氏が応援に回った大河原雅子氏は9位で落選。