日露首脳会談 領土交渉は次官級協議で 秋にラブロフ外相来日

ベルファスト=赤地真志帆】安倍晋三首相は17日夜(日本時間18日朝)、英国北アイルランド・ロックアーンのホテルでロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土交渉を両首脳の主導により外務次官級の枠組みで進めることで合意した。政治対話を加速化させるため、今年秋にロシアのラブロフ外相が来日することも決まった。
領土交渉を行う次官級協議について、日本側はラブロフ外相の来日より前に行うようロシア側に求めているが先行きは不透明。ラブロフ外相の来日時期は9月上旬にロシアで開催予定の20カ国・地域(G20)首脳会合後となる見通しだ。
両首脳は、安全保障や経済分野での協力をさらに進めていくことでも一致。プーチン大統領はロシア極東マガダン州沖の海底油田開発で日露両企業が協定を結んだことを挙げ、「日露間のエネルギー分野での協力が進んでいることを評価する。さらなる協力関係の発展に期待する」と述べた。
日露首脳会談は4月にモスクワで開催されて以来。両首脳が領土交渉で「双方が受け入れ可能な解決策」を検討することで合意したが、具体的な交渉は進んでいない。
日本は、4島一括での帰属確認を主張。ロシア側は旧ソ連時代の日ソ共同宣言で明記した2島引き渡し以上の譲歩は困難との立場で、事務レベルだけでは調整が図りにくい状況が続いてきた。<<