菅直人 「頭の中身は大丈夫」 / 支援者から黄色いバラを貰う

13日に乗っていた選挙カーが東京・府中市内で中央分離帯の鉄柱に激突し、前頭部を12針縫うけがをした菅直人前首相(66)が14日、左目元が紫がかったさえない顔色でJR三鷹駅前に立った。
まさに“泣きっ面にハチ”状態に陥っている菅氏だが、地元有権者の反応は冷ややか。“菅総理”をはぐくんだ地元とは思えないほどの無関心ぶりで、投開票日2日前だというのに、菅氏を囲む輪は最大で約30人ほど。演説途中には「この売国奴! 俺はだまされないぞ」と声を荒らげる男性が、関係者からつまみ出されるひと幕もあった。
マイクを握り締めて「原発ゼロ」と書かれたお立ち台から安全なエネルギー政策への転換に焦点を絞り、革新色が強い土地柄の市民感覚に訴えたが「原発以外にも反省することがあるだろ!」とヤジられる始末。
菅氏の言葉の端々には不安がのぞいた。「週刊誌(の当落予想)なんかで結構、黒三角なんです。皆さん、お願いです。今、競っている自民党以外の党に票が分かれないように、反原発のお友達に『どうも菅さんが危ない』と伝えてください。あ、これは私が言ってるんでなくて新聞が言ってるんですけど(苦笑い)。正念場なんです!」と危機感を募らせた。もし、首相経験者が小選挙区で落選すれば、2009年総選挙で愛知9区から出馬した海部俊樹元首相以来3年ぶり。前頭部の傷を固定するプラスチック板が痛々しい頭を何度も下げ、支援者らに握手を求めていた。演説中、手にしていたのは「支援者からもらった」(菅氏)と喜んだ黄色いバラだったが、花言葉は「あなたには誠意がない」。16日、事故よりアイタタタ…なことにならなければいいが…。

13日の選挙カー事故で前頭部を十数針縫った東京18区の菅直人前首相(66)が、事故から一夜明けた14日、黒のガーゼと黒色のテープで手当てして、東京・JR三鷹駅で街頭演説に立った。菅氏は「皆さん大変ご心配を掛けてすみませんでした。(頭の)中身は大丈夫でした」と約100人の聴衆の前で頭を下げた。選挙情勢で苦戦していることについて「明後日(16日)の投票日がある意味心配」と弱々しく話し、「私自身が当選できるか、脱原発に反対している人が多く当選してしまうか。そうなれば、脱原発が不可能になってしまいます」と話した。
[2012年12月15日8時54分 紙面から]<<