メドヴェージェフ首相 「一寸たりとも渡さない」/ 鳩山由紀夫 党員資格停止6ヶ月 他

【モスクワ時事】ロシア極東連邦管区を視察中のメドベージェフ首相は3日、北方領土国後島を訪問し、住民や記者団に対し、北方四島について「一寸たりとも渡さない」と述べた。ロシアの通信社が伝えた。領土実効支配を誇示し、日本の四島返還要求をけん制する狙いとみられ、先月の日ロ首脳会談で「再活性化」で合意した領土交渉に悪影響を及ぼしそうだ。日本側はアファナシエフ駐日ロシア大使を外務省に呼んで「極めて遺憾だ」と抗議した。
メドベージェフ氏の北方領土視察は大統領当時の2010年11月、ソ連・ロシアの国家元首として初めて国後島を訪れて以来2回目。
メドベージェフ首相は訪問前にサハリン州ユジノサハリンスクで「(四島は)ロシアの国土の重要な一部だ」と強調していた。国後島ではさらに「一寸たりとも渡さない」と踏み込んだ。訪問にはゴロジェツ副首相ら3閣僚が同行し、港湾施設などを視察した。
ただ、首相は当初計画されていた択捉島訪問を悪天候のため断念した。3日中に国後島からカムチャツカ半島に到着した。 
今回の北方領土訪問計画に対し、日本側は「ロシア政府要人の四島訪問は、領土問題に関する日本の立場と相いれない」(藤村修官房長官)と懸念を示したが、メドベージェフ氏は日本の意向を無視して訪問を強行した形。先月18日に野田佳彦首相とプーチン大統領が初会談した際には、領土交渉を「再活性化」し、「静かな環境」の下で実質的な議論を進めることで一致していた。
ロシアのラブロフ外相は3日の記者会見で、メドベージェフ首相の国後島訪問にかかわらず、「近く(玄葉光一郎外相との)日ロ外相会談が行われると期待している」と述べた。
メドベージェフ氏の前回の国後島訪問に対して、菅直人首相(当時)が昨年2月に「許し難い暴挙」と非難し、日ロ関係は冷却化した。
一方、プーチン氏は今年3月の大統領選直前、領土問題の最終解決に意欲を表明したが、1956年の日ソ共同宣言に基づく歯舞、色丹の2島引き渡し以上の譲歩はないとも示唆している。(2012/07/04-01:24)

ロシアのメドベージェフ首相の北方領土国後島訪問を日本外務省が「極めて遺憾」と批判したことについて、ロシア上院のシニャキン外交副委員長は3日、インタファクス通信に対し、ロシア内政に対する「容認しがたい干渉だ」と述べ、強く反発した。
副委員長は「南クリール諸島(北方領土)はロシア領。首相は領内をいつでも訪問する権利がある。日本側の立場は全く受け入れられず、ロ日関係の善隣的性格と相いれない」と強調。さらに、日本の政治家は第2次世界大戦で連合国側に無条件降伏したことを思い出すべきだとも主張した。
一方、プシコフ下院外交委員長は同日、地元メディアに対し、批判に批判で応じるのは「どれほど賢明なことなのか」と指摘。問題を大きくすることは「理性的ではない」と述べた。(共同)

民主党は3日の常任幹事会で、衆院採決で消費増税法案に反対し、離党届を提出した小沢一郎元代表衆院議員37人を除名する方針を決めた。反対票を投じた鳩山由紀夫元首相は党員資格停止6カ月の厳しい処分にする一方、参院議員12人の離党届は受理。処分を見送ることで、法案採決時の連携の可能性を残した。
(後略)

ウラジオストク=遠藤良介】3日に北方領土国後島訪問を強行したロシアのメドベージェフ首相は4日未明、簡易ブログのツイッターに「国後島はロシア最果ての地」などと投稿した。首相はIT好きで知られ、就寝前にまで北方領土の実効支配をアピールする“つぶやき”を書き込んだものとみられる。
メドベージェフ氏はこの投稿に、上空から撮影した国後島とみられる写真を添付。さらに「ユジノクリリスク(古釜布のロシア語名)には最近までアスファルト(舗装)がなかった」と書き込み、舗装された道路の写真も載せた。
ロシアの読者らは「これ(舗装路)もすぐに(手抜き工事で)崩れるのではないか」「島々は2500億ドルで売るべきだ。モスクワでさえきちんとできないのに太平洋でどうする」などと様々なコメントで反応している。
メドベージェフ氏は3日、極東歴訪の一環で国後島入りを強行し、「一寸たりとも領土は渡さない」と述べるなど日本を意識した発言を連発した。4日は、カムチャツカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキーで地震対策に関する会合を行う。
メドベージェフ氏は2010年11月、大統領として国後島に乗り込んだ際にもツイッターに「ロシアには何と多くの美しい場所があるのか」と感想を書き込んでいる。

藤村修官房長官は4日午前の記者会見で、メドベージェフ・ロシア首相による北方領土国後島訪問について「日ロ関係の前向きな雰囲気づくりに水を差すものだ」と批判した。同時に「根本の問題である北方領土問題の解決が必要だ。そのために、日ロ首脳間の信頼関係の下で、精力的に交渉を行い、帰属の問題を解決していく、今はそういう時点だ」と強調した。(2012/07/04-12:01)<<