鈴木宗男 新党結成で小沢一郎にクギを刺されていた / 田中真紀子 夫の防衛相就任に不安を覚える / 玄葉外相 洋上視察

新党大地・真民主」代表の鈴木宗男衆院議員は14日、BS朝日の番組で、同党結成の際に民主党小沢一郎元代表から「自分の仲間には手を突っ込まないでくれ」とクギを刺されていたことを明らかにした。
鈴木氏によると、小沢氏と面会した昨年12月9日に新党を立ち上げる意向を伝達。小沢氏は、すでに無所属で活動していた北海道選出の松木謙公石川知裕衆院議員の参加には理解を示したが、民主党議員の「引き抜き」には難色を示した。
鈴木氏は同月28日、新党結成を届け出た後に再び小沢氏と面会。小沢氏は、野田政権の消費税増税方針に反対して離党届を出していた内山晃衆院議員ら9人を挙げ、今度は「一緒に組んでやったらどうか」と打診した。だが、鈴木氏は、後に「新党きづな」を結成した内山氏らが野党として行動する意向だったことから、拒否したという。

直紀氏は13日夜の就任会見で、早くも頼りなさを露呈した。沖縄・米軍普天間飛行場移設問題への対応を問われ、「先頭に立ち頑張る」と意欲をみせたが、「微力ながら力いっぱい取り組んでいきたい」「妙案が今すぐ発表できるわけではない。米国とも話し、国民的な議論から、何とか解決の糸口を見つけたい」と述べた。「微力」発言は、専門分野ではないことが影響している。
直紀氏は参院外交防衛委員長、外務政務次官を歴任してきたが、選挙区は新潟で、農業政策や地域分権が本来の専門。「素人」発言で物議を醸した一川保夫前防衛相と「ほとんど変わらず、手腕は未知数」(関係者)。沖縄県仲井真弘多知事には「田中真紀子さんは有名な方でよく知っている。ご主人でしょう。お名前しか知らない」と、期待外れの感想を示された。
一川前防衛相や前防衛局長の問題発言で、沖縄と関係が悪化している。野田首相の後見人でもある藤井裕久衆院議員は改造前に「防衛相には、恥ずかしくない経験がある人を」と首相に伝え、首相も13日の会見で「豊富な政治経験がある」と持ち上げたが、直紀氏が衆参当選6回、71歳で入閣未経験の面も大きかったようだ。仲井真知事は「また沖縄になじみのない人」と冷たい反応。ある民主党議員は「しどろもどろの答弁でまたやられる」と話した。
そろって大臣経験を持つ国会議員夫婦になった真紀子氏も、「かなり大変ですね。厳しいポストに就いたなと思います」との見方を示した。外務も経験し、普天間問題について「シャンプーしている時も、頭は普天間のことでいっぱい」と難しさを指摘したことがある。また一部では、真紀子氏の政権批判封じで、直紀氏を取り込んだとの見方もある。今日14日は真紀子氏の68歳誕生日。直紀氏の初入閣は、緊張感あふれる前祝いになった。

玄葉光一郎外相は14日、北海道根室市を訪れ、洋上や納沙布岬から北方領土を視察した。元島民に「一刻も早く領土問題の解決に向けた道筋を築けるよう努力したい」と強調。近く予定されるロシアのラブロフ外相来日を前に、野田政権の姿勢をアピールした。
玄葉氏は海上保安庁の巡視船で国後島歯舞群島を視察。元島民との懇談では「ラブロフ外相には、両国間の諸合意や法と正義の原則に基づいて実質的な議論をしようと伝えている」と強調した。元島民からは「半数以上が他界し、残された時間は無いのに今がいちばん島が遠く思える。戦略的に領土交渉をしてほしい」などの要望が出た。
ただ、北方領土交渉が進展する状況にはない。ラブロフ氏との日ロ外相会談では領土問題で意見交換するものの、エネルギーや経済協力など両国が歩み寄りやすい議論が中心になりそうだ。(土佐茂生)

【モスクワ時事】ロシア外務省は14日、玄葉光一郎外相の北方領土視察を受けて声明を発表し、「日ロ境界地域での(経済を含む)相互協力を拡大し、日ロ関係を発展させる目的ならば、もちろん歓迎する」とする一方、「ロシア領土の帰属をめぐり日本政府が立場を無用に先鋭化させるのが目的ならば、近年築いてきた両国関係の良好な雰囲気の強化にはならない」と不快感を示した。(2012/01/14-22:34)<<