戸田デザイン研究室発行の子供向け「国旗の絵本」北方領土を「ロシア領」として掲載

文部科学省所管の社団法人「日本図書館協会」(東京)が全国の図書館に推奨する子供向けの絵本「国旗の絵本」(戸田デザイン研究室発行)に、北方領土を「ロシア領」と色分けした地図が掲載されていることが5日、分かった。指摘を受け、発行社側は訂正したが、「問題提起するため、あえてやった」と説明した。先月には文科省が後援する「国際地理オリンピック」の募集ポスターで同様の事例が発覚したばかり。領土問題への認識の薄さがまた明らかになった。
「国旗の絵本」は、世界193カ国の国旗を首都名とともにカラーで掲載したもの。巻頭と巻末の世界地図で、日本固有の領土である北方領土がロシア領に色分けされていた。
この絵本は昭和62年に初版を発行。同年、図書館の振興を活動目的とする日本図書館協会が「選定図書」に指定した。選定図書は、学識者や教員ら約50人で構成する選定委員会が決定し、全国の図書館が本を購入する際の指標になる。この絵本も全国に行き渡っているとみられる。
9月上旬、同協会に匿名で指摘があり、同協会が戸田デザイン研究室に訂正を求めたところ、同研究室も応じ、11月から発行する第94版では、北方領土を日本の色に訂正したという。
産経新聞の取材に対し、同協会は「目が届かなかった。領土問題への意識が欠落していた」と釈明した。
絵本を企画・編集した同研究室の戸田やすし氏は「日本の領土なのに、日本人が行き来できない不正常な状況を表現するため、あえてロシア領の色にしたが、説明不足だったので訂正した」と説明した。
同研究室によると、絵本は20年以上にわたり、50万部以上発行されてきたが、こうした指摘は今回まで一度もなかったという。

以前から意図的にこの状態だったようです。