鈴木宗男獄中からの推薦図書 / 辻元清美 菅前首相の敗因を分析

昨年12月に収監されてから8月12日で250日が過ぎました。お年寄りの入浴介助、食事の配膳、洗濯物の回収などを担当する衛生係の仕事をしており、土、日、祝日なく働いていますが、土、日、祝日は9時から11時半、12時半から16時半、18時から21時までは自分の時間がとれます。その中で本を読むのが一つの楽しみです。最近、石川知裕代議士が上梓した「悪党」を読みました。大変参考になる本でした。
私は中川一郎先生に13年半お仕えし、365日働いてきましたが、石川代議士も小沢先生の自宅に住み込み、お庭番からスタートしてのご苦労、努力は大したものだと思いました。私は秘書としてはNHKの「ルポルタージュ日本」で取り上げられ、それなりの評価、実績をつくりましたが、それも下積み経験あってのことです。私よりも貴重な経験をしている石川代議士には、必ず裁判で勝ち、政治家としてさらに大きく成長してほしいと思います。
この本では知られざる小沢先生の人間性、人を見る目、何よりも心やさしい人間味が明らかになっています。将来を考える政治家なら、読んでおく必要のある一冊だとお薦めします。また政治家を志す若い人たちにも参考になるものです。私自身もまだまだ努力が足りない、頑張らなければと教えられたものです。
菅首相が辞意を表明し、後継を決める代表選が行われます。民主党には小沢先生の40年以上にわたる政治経験を生かし、真の政治主導、国民本意の政治を実現し、元気の出る日本にしていただきたいと思います。ここは小沢首相の誕生です。それを実現することが、日本を救う道です。小沢先生の一日も早い本舞台登場を願ってやみません。

引き続き小沢推し。

◇権力維持には「まめさ」必要だが、理念重視のあまり気が回らず。
◇妥協、利害調整できず立ち往生。「浜岡」「脱原発」は考え抜き決断。
「自分の言葉で。終わり良ければ全てよし、でっせ」
8月26日昼、衆院議員会館。テレビ画面の中で「退陣の弁」を語り始めた菅首相に、そう声をかけた。立ったまま、安堵(あんど)とも無念ともつかぬ表情の辻元さんである。約5分、聞き終えるとポツリ。「あっさりしてたなあ……」
昨年7月、長年所属した社民党を離党、現在は無所属ながら民主党と会派を組む。震災から2日後の3月13日、首相補佐官に起用され、官邸で半年間、一緒に仕事をした。「知り合って四半世紀」という間柄。新しいスーツづくりの採寸にも立ち会った。
「一国の総理だからヨレヨレの格好はあかん。欧米の首脳の横に立ってもひけをとらんように、と服、つくらせたんです。馬子にも衣装やから。ハハハハ。なのに昨年11月の横浜APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で、オバマさんと一緒にいるところを見たら、ネクタイは曲がってるし、胸の当たりも盛り上がっている。メガネを入れているわけ。何してんねん、と。すぐに電話をして『高いスーツ買うてるんやから、ポケットにもの入れたらあかん!』と言ったら菅さん、『ごめん……』の一言だけ」<<