北方領土でガス田共同開発 / 鳩山由紀夫 議員グループ会長復帰へ

【モスクワ=石川陽平】ロシア政府高官が北方領土国後島沖にあるとされる原油天然ガス田の共同開発を日本に提案する考えを明らかにした。日本はロシアによる北方領土の実効支配を認めることにつながりかねないため共同開発には慎重。領土問題を巡る日ロ関係に新たな波紋を投げかけそうだ。
北方領土がある極東連邦管区のイシャエフ大統領全権代表が日本経済新聞の書面インタビューで答えた。2月の日ロ外相会談で議論することが決まった共同経済活動の具体策として示したもので、ロシア高官が北方領土周辺での原油・ガス共同開発を提案するのは初めて。年内にも予定される日ロ高官協議などで議論される可能性がある。
ロシア科学アカデミー極東支部海洋地質学・地球物理学研究所によると、国後島の南東沖に有望な地層があり、埋蔵量は石油換算で推定3億5000万トン。ただ、日本側は「データがなく判断できない」(日本エネルギー経済研究所)という。
共同経済活動については「日本の法的立場を害さない前提で何ができるかを議論する」ことで一致している。ただ、北方領土で活動する日本人にロシアの法律が適用される可能性が高い。参加を見送れば、ロシアが日本抜きで開発に乗り出す懸念がある。

民主党鳩山由紀夫前首相が、自身のグループ「政権公約を実現する会」(約50人)の会長に復帰することが29日、分かった。平成21年の首相就任を機に顧問に退いていた。30日の会合で正式決定する予定。現会長の大畠章宏国土交通相は「公務多忙」を理由に顧問に退く。<<