日本政府 韓国議員の北方領土訪問は「事実なら抗議」 他

菅直人首相は20日午後の参院予算委員会で、韓国の国会議員が北方領土国後島訪問を計画していることについて「事実関係を確認中だ。確認されれば、きちんとした対応を取る」と述べ、事実確認後に抗議する考えを示した。自民党佐藤正久氏への答弁。
韓国議員3人は24日の国後島入りを予定。21、22両日に東京で開催される日中韓首脳会談に出席のため、韓国の李明博大統領が来日することになっており、菅首相は外交的な対応を迫られそうだ。 
日本政府は「北方領土は日本固有の領土」とする立場だが、ロシアは昨年のメドベージェフ大統領の国後島訪問などで実効支配を既成事実化する動きを強めている。韓国議員の同島訪問は、実効支配を追認したものと受け止められかねず、日本にとって対ロ交渉が一層厳しくなるのは必至だ。(2011/05/20-18:03)

韓国の国会議員グループが北方領土国後島訪問を計画していることについて、同国政府当局者は20日、「(政府とは)無関係なこと」との立場を明らかにした。聯合ニュースが報じた。
同当局者は、訪問計画を把握しているとした上で、第三国間の領土問題に言及するのは適切でないとの考えを示した。
訪問を計画しているのは日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)の韓国領有に向けた運動を展開する韓国国会の「独島領土守護対策特別委員会」所属議員らで、関係者によると、一行は22日に韓国を出発し、ウラジオストクユジノサハリンスクで領土問題の専門家らと会談。24日に国後島に向かうとしている。しかし、航空券はキャンセル待ちの状態で、日程は流動的という。(共同)

【モスクワ=佐藤貴生】原田親仁駐ロシア大使は19日、モスクワ市内の日本大使館で、着任後初めて記者会見し、15日のイワノフ副首相らの北方領土訪問について、事前に情報を入手していたため、訪問を止めるようロシア側に伝えていたことを明らかにした。
原田大使は着任翌日の今月6日にボロダフキン外務次官、13日にデニソフ第1外務次官と相次いで面会、2人に対して「(訪問)をやめるよう言った」と述べた。副首相や閣僚数人は15日、北方領土の択捉、国後両島を視察名目で訪れた。
大使は一連のロシア側政府高官との面談のさい、経済協力ばかり話題にしていたのでは−との質問に対し、「経済に特化したわけではない」と否定し、日本政府の方針に基づいて北方領土問題を交渉する意向を強調した。
また、大使がソ連時代、モスクワの日本大使館に勤務していたさい、大使館員が外交特権を利用して車を売り、得た闇ルートの金をプールしていた−といった疑惑については、「ソ連・ロシアに対し、うしめろたいことは一切ない。心配ない」と語った。

【モスクワ時事】ロシア消費者権利保護・福祉監督庁のサハリン州事務所当局者は20日、北方領土で福島第1原発から放出されたとみられる微量の放射性物質が検出されたことを明らかにした。インタファクス通信が伝えた。
検出されたのは放射性ヨウ素131、セシウム137、同134。同庁が派遣した専門家が先週、国後、色丹両島で集めた水産物、牛乳、飼料用の草などのサンプルから検出された。
一方、大気中の放射線量は上昇しておらず、海水にも問題はなかったという。<<