ロシア副首相ら5閣僚 択捉・国後島を訪問

【モスクワ時事】ロシアのイワノフ副首相ら政府代表団は15日、北方領土択捉島を訪れた。東日本大震災後、ロシア政府要人による北方領土訪問は初めて。インタファクス通信が伝えた。
空港や港湾などのインフラ施設を視察し、「クリール(千島)諸島社会・経済発展計画」(2007〜15年)の進捗(しんちょく)状況を点検するのが目的。代表団にはナビウリナ経済発展相、レビチン運輸相、トルトネフ天然資源相、バサルギン地域発展相らが加わっている。
 イワノフ副首相は択捉で開かれた会合で、北方領土のインフラは不十分との認識を示し、「空港や道路が整備されるまで、いかなる発展もあり得ない」と指摘した。択捉島では新空港の建設が進められている。
会合後、ホロシャビン・サハリン州知事は発展計画で連邦・州政府が計160億ルーブル(約470億円)を追加投資することを明らかにした。現在、同計画に盛り込まれている15年までの連邦政府投資額は150億ルーブルでほぼ倍増となる。
一方、タス通信によると、トルトネフ天然資源相は14日、サハリン州政府機関に対し、北方領土での金や希少金属レニウムの探鉱・開発計画を策定するよう指示した。(2011/05/15-23:59)

ということでビザ無し訪問団に正面からぶつけられました。

ロシアのイワノフ副首相らが北方領土を訪問したことを受け、外務省の小寺次郎欧州局長は15日、ロシアのベールイ駐日大使に「日本として受け入れられない」と電話で抗議した。松本剛明外相が16日にもベールイ大使を呼び抗議することも検討している。
メドベージェフ大統領の訪問以降、政府は対露戦略を練り直し、経済協力の拡大をテコに関係改善を図ってきたが、ロシア側の強硬姿勢を突き付けられた形だ。
外務省は今月26、27日のフランスでの主要8カ国(G8)首脳会議の際に、菅直人首相と大統領の会談を調整しており、北方領土に関する日本の立場を伝えるほか、経済やエネルギー、原子力の安全性などの分野で関係強化を図り、領土交渉を進めたい考えだ。【犬飼直幸】<<