ロシア外務省「北方領土交渉は無意味」 / 国境警備局 照明弾発射を認める

ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は17日の定例記者会見で、日本が北方領土問題で「過激な立場」を取っている状況では、領土交渉は無意味だと述べ、日本をけん制した。
情報局長は、日本とロシアの領土問題をめぐる立場は「完全に食い違っている」と指摘。一方で、日本との平和条約締結交渉は続ける用意があるとも強調した。

ロシアは今月7日、日本の「北方領土の日」に右翼過激派が在日ロシア大使館前で露国旗を損傷したと抗議しており、ロシアの政権派団体がこれに呼応して報復に出た可能性がある。
また、菅直人首相が同日、メドベージェフ露大統領の国後島立ち入り(昨年11月)を「許し難い暴挙」と非難し、ロシア側が強く反発していた。日本大使館前では、政権派の過激青少年団体によるデモが続いていた。
日本大使館によると、ロシアの治安当局はすでに国旗を燃やした男女らの事情聴取を行っており、警察が3人の身柄を拘束したとの情報もある。

前原誠司外相は16日夜、外務省飯倉公館で韓国の金星煥外交通商相と会談した。前原氏は北方領土国後島で韓国企業がロシア側と投資活動を行う動きがあることを念頭に、日本固有の領土との立場を強調し、理解を求めた。

竹島についても「日本固有の領土」との立場を表明。

中国商務省の姚堅報道官は17日の定例記者会見で、ロシアが実効支配する北方領土で中国の水産会社がロシア側の企業と合弁事業を計画していることについて「情報はない」と述べた。

第1管区海上保安本部(小樽市)から連絡を受けた根室海保は15日に17隻、16日には15隻の漁船を検査、船長らから聞き取りも行ったが、照明弾を撃たれたとの証言はなく、全地球測位システム(GPS)で異常な航跡を示している船の情報も得られなかったという。同海保は17日も引き続き立ち入り検査を続ける方針。
市内4漁協でも船長らから聞き取り調査をしているが、確認はとれていないという。

ロシア極東サハリン州の国境警備局は17日、北方領土歯舞群島周辺のロシアが主張する排他的経済水域EEZ)に越境していた船籍不明の1隻に15日、停船を求める照明弾を発射したと発表した。船は停船命令に従わずに北海道方面に逃走したという。船への銃撃はなかったとしている。<<