足寄町の鈴木宗男の生家 民宿「大地」として開業

北海道足寄(あしょろ)町にある新党大地鈴木宗男代表(59)の生家が26日、「民宿」としてオープンした。宗男氏をはぐくんだ生家は10年以上使われないままで、「空き家にするよりは、夏の季節だけでも宿として生かしてもらえれば」と宗男氏。道東のへき地で観光客も少ない足寄町。誰もが泊まれる“新ムネオハウス”が、故郷の活性化に一役買うか。


「私にとってはかけがえのない故郷。実家が有効に使われるのはありがたいことです」。宗男氏が生まれてから高校卒業まで過ごした生家(2階建て)があるのは、足寄町大誉地(およち)地区。足寄町の市街地と、「日本一寒い町」として知られる陸別町の中間に位置している。


10年くらい前から空き家状態となり、地元の人からは「何かに使わせてほしい」との声が上がっていた。宗男氏は「北海道観光で自転車やオートバイで来た人が、『ちょっと休んでいこうか』という時など、気軽に使ってもらえれば」と語る。


その名も民宿「大地」。素泊まりで3000円(朝食付きは500円増)と少し高めだが、地元の民宿に配慮した価格設定だという。4部屋あり、計10人まで宿泊可能だ。宗男氏の高校時代の同級生が管理人として常駐する。


道東のへき地とあって、周辺は生家がぽつんとあるだけだが「ガスも水もあるし、自炊はできる」という。生家の裏手には清流があり、釣りも楽しめ、山菜も豊富。野生のエゾジカ、キタキツネが出没するなど、“スロー”な時間を過ごせそうだ。「使っていない畑もたくさんあり、そこで野菜を作ることもできる。夏に植えて、秋に収穫に来てもらってもいい」と宗男氏は言う。


最寄り駅は「大誉地」駅だったが、昨年4月に第3セクター鉄道「ふるさと銀河線」(北海道北見市―池田町)が廃止されたため、現在は帯広から車で2時間ほどかかる。今回の民宿のオープンにあたり、宗男氏は「足寄町に来てもらうことによって、今度は『住んでもいい』という人がいるかもしれません。そういう時は、うちの土地を提供してもいい」と話す。足寄町の“ムネオハウス”が、地域活性化のため動き出した。