特捜部 癒着解明に四苦八苦

ムネオハウス」事件で側近の秘書を、同省職員による背任事件では腹心と言われた佐藤優元主任分析官を逮捕。捜査は鈴木議員の周辺から登りつめる手法で進んだ。
その後、北海道の企業を資金提供元とする汚職事件で議員本人を2度摘発し、特有の恫喝的手法や「利益誘導」政治を明らかにした。この日追起訴した政治資金規正法違反事件では、自宅購入費の一部に政治資金を流用した公私混同の事実を浮き彫りにし、偽証事件では鈴木議員に文字通り「うそつき」のレッテルを張った。
だが、並行して進めた外務省ルートの捜査は佐藤元分析官の黙秘などの抵抗で難航。打開のため、逮捕前からうわさがあった公電漏洩(ろうえい)問題での切り込みを検討した。
公電や省の内部情報を入手した見返りに、佐藤優元分析官が使った飲食費を肩代わりしたという見立てだった。立証できれば、鈴木議員を贈賄罪、佐藤元分析官を収賄罪で立件できる。
ところが、押収できた領収書だけでは金額が少なく、個別の飲み食いと、どの公電漏洩とが結びつくのかも突き止められなかった。<<