7/24 田中真紀子 政治倫理審査会 質疑 詳報

▽質疑
大野功統氏(自民、香川) 秘書給与の流用があったかなかったかの簡単な問題なのに、週刊誌の報道から111日もたってしまったのは、疑惑を晴らす資料の提出に協力がなかったため。なぜ自民党の党紀委員会で出してもらえなかったのか、残念だ。 越後交通が後援会へ差し向けた請求書の中に、私設秘書の立て替え給与だけでなく、公設秘書分も含まれている。公私混同だ。
田中氏 会社で精算することを前提としており、立て替え払いをしていた。
参考人の林崇公認会計士 会社にとって私設だろうが公設だろうが、出向に変わりない。請求したものが入金されればいい。不足金を後援会に補てんしてもらい精算した。
大野氏 入金伝票が4回分あるが、1回は後援会、1回は空白、残りは田中議員からだ。実際、金はどこから出ているのか。
田中氏 基本的に後援会。場合により私が支払ったことも最初のころあった。
大野氏 後援会と「留保金」が一緒になっていないか。1998年の政治資金収支報告書によると、後援会の人件費が515万円だが、立て替え払いが888万円。515万円の人件費でどうして888万円が払えるのか。
田中氏 個人で会社に現金で渡した。
大野氏 個人と留保金の関係が問題で、留保金の存在が明らかでない。疑惑は解明されていない。
永田寿康氏(民主、千葉) 1996年夏ごろの私設秘書の名前は。
田中氏 私設は多くなかった。父の代のころの人や会社をリタイアした人とか、地元からお茶を飲みに来た人の話し相手などをボランティアでやっていた人を、私設と思った人もいるだろう。実際はそうでないこともあるので正確には言えない。
永田氏 矢川(正人)、丸山(誠)、笠輪(充)という人物ではないか。
田中氏 正確な記憶がない。
永田氏 私が入手した資料によると、96年6月から五十嵐芳紀氏に公設秘書給与の10%に当たる4万160円が秘書手当として払われているが、こういうことはあり得るのか。
田中氏 あり得ると思う。
永田氏 地域手当、出向手当は支払われていたのか。
林氏 そこまでは調べていない。
永田氏 調べていないというのは一体なにをやってきたのか。わたしは(新潟県の)長岡駅に着いてわずか3時間後にはこのペーパーを手にしている。一体111日間かけて何を調査してきたのか非常に不安になる。
田中氏 3時間でというがどこから入手したのか。
永田氏 元公設秘書からだ。プライバシーを守ってくれと本人から要望があったので名前を伏せたい。
林氏 98年1月から99年8月までの公設秘書を対象に調べた。
永田氏 わずか3時間でできることもやらなかったということだ。
参考人の竹田真一郎弁護士 出向者の処遇をどうしたかは基本的に第三者の問題でそれについてコメントできない。
永田氏 第三者のことだからコメントできないというのでは疑惑は晴れない。政倫審の開会を申し立て自ら説明したいという希望で開いている(はずで)われわれは一体どうやって疑惑を晴らしたらいいのか。
竹田氏 今日この場で見せられ事実関係を説明しろと言われても無理だ。
永田氏 田中事務所が知らぬ存ぜぬで済む話でない。会社から給与をもらっている人が勝手に事務所で働いていることになる。
田中氏 お任せにしていたのでこの場で説明することは困難だ。
永田氏 それはおかしな話だ。議員は社長だ。社長が社員の給与がどうなっているか知らないということはあり得ない。どういう管理をしたらそうなるのか。
田中氏 当時の越後交通の社長や事務所との信頼関係でお任せしていた。
永田氏 給与を会社と公設秘書の両方からもらっている二重払い問題をどう解決するかは最大の関心事になってしかるべきだ。適当に解決してください、わたしは知りません、そんなことはあり得ない。
田中氏 次から次へ引き継ぎがあり、どう印象を持たれるか知らないが当時はお任せで、細かいことについて関知していないことを率直に認める。
永田氏 ちっとも細かくない。だれが公設秘書になり給与の精算かどのように行われているか小さいことではない。
西村真悟氏(自由、比例近畿) 国支給の給与の封を開き、中身を取り出すのは(越後交通の)担当者か。
田中氏 そう思う。
西村氏 それでは給与袋も中身も受領者は会社と考えるのが合理的だ。
田中氏 会社本体の経理と別に扱っており、違う。
西村氏 会社に籍を置くのが絶対的条件としながら、1人も会社に残っていない。秘書に農家の長男もいない。秘書を同行すれば疑惑が晴れるのでは。
田中氏 有能な方が選ばれて来て、戻っても引き抜きなどがある。田んぼがなくても農家だし、親せきの手伝いもあり、東京とは考え方が違う。(秘書を同行しないのは)メディア被害がひどく、家族も苦しんでいる状況がある。
河上ノブ(要の女が早)雄氏(公明、比例南関東
あなたの事務所には退職金支給対象者は6人いるが、提出された資料から退職金の計算が可能となったのはK氏の分だけ。
竹田氏 入手した資料は97年1月から98年8月まで。その間の退職金受領資格者はK氏だけ。手元に(その他の)資料は入手していない。
河上氏 提出された資料の信ぴょう性が希薄だ。7年間の保存義務がある総勘定元表を出せるか。
田中氏 検討させて頂きたい。
河上氏 越後交通経理担当者と(田中氏の)秘書を参考人として話を伺いたい。
田中氏 わたしの一存では今すぐご返答致しかねる。
河上氏 出向については三者間の合意が前提。出向条件を定めた給与の支払いに関する(三者間の)文書を提出できるか。
竹田氏 調査した限りそういう文書はない。わたしもYさんという秘書に直接会った。そのときに彼は「自分は自分の意思で自分が決めた絶対条件として、自分は出向にしてほしい」と申し出た。それは同時期に秘書になったMさん、Iさん、Sさんも同じ認識。
児玉健次氏(共産、比例北海道) 第1秘書だった須藤義雄氏に対し越後交通が給与約364万円を立て替えていた。4年後に精算されたが、同社から田中議員への寄付行為だ。政治資金規正法に基づく収支報告をしたのか。
竹田氏 後の精算を前提にしたもので寄付にあたらない。
児玉氏 越後交通の社長らが最近、元公設秘書を訪ねて「勤務中に国から給与を受領した」とする文書に署名、押印を求めているが。
田中氏 これは強要ではない。秘書給与の明細を衆院会計課から出してもらうには本人の承諾が必要なためだ。
児玉氏 越後交通から出向させられた秘書は誰も同社に帰っていない。有能な社員の生涯設計を挫折させた責任があるのではないか。
田中氏 誤解がある。(秘書に出向する際には)本人に納得していただいている。会社に戻ってから転業した人もいる。違った形で自分の能力を生かして転職した人もいる。
日森文尋氏(社民、比例北関東) 98年8月から突然、第1、第2両秘書が出向ではなくなったが。
田中氏 自分の政治活動が理解され、地元との関係もこなれたからだろう。
日森氏 勤務実態は。
田中氏 2人とも父(故角栄氏)の代の秘書だが、地元事務所での電話番や情報収集をしたり、冠婚葬祭に行っている。遊んでいるか、仕事なのか分からない状態だが、2人ともよくやっている。
日森氏 税金で(給与を)払うべき秘書か。
田中氏 2人とも得がたい人物で、ベテラン秘書は国会に何人もいる。いろいろなタイプの秘書がおり、おかしいとは思わない。私には私のスタイルがある。<<