電波2ちゃんねるのMUNEO HOUSE PARTY潜入取材レポート

国会中継の映像を見ながら踊りまくる連中に音楽の未来を見た!!」ってなカンジで書かれております。
強固なサーバで全曲ミラーしてくれてる電波2ちゃんねるさんに文句なんか言えるわけございません!四の五の言わずに読んでください。

こちらは当日のリアルタイム実況を記した記事。

追記 (2019年8月13日)

ちゃんねるぼっくす(旧・電波2ちゃんねる)の消滅を確認したので全文を掲載します。

MUNEO HOUSE PARTY 潜入レポート
(2002.04.05 @ SHINJUKU)

 

■歴史的な一夜がはじまる


 1000名以上の人々が事前に発行された入場整理券に殺到した今回のムネオ ハウスパーティ。誰もが歴史の目撃者となりたいという思いでこのイベントへの 申し込みをおこなったことだろう。しかし会場の制限があり、実際にこの会場へ 足を踏み入れることが許されたのは、わずか200名だった。


 4月5日午後23時50分。開場10分前。我々電波2ちゃんねる取材陣は、 このイベントの会場となる新宿ロフトプラスワンに潜入した。事前に取材を申し 込んでいたので、早めに会場に入ることができたのである。実は電波2ちゃんね る読者にプレゼントをするべく、ムネオハウスのCDを5枚、実費で譲って頂く 約束をイベント主催者さんとしていたのだが、どうも焼きが間に合わなかったら しく、それは入手できなかった(スマンカッタ)。


 入場の際、個人を特定できるような撮影をしない、また、そのような写真を公 開しない旨の念書にサインさせられた。ここらへん、やはり念入りである。
 会場に入ると、すでにDJが最終調整に入っていた。マスコミ向けに、顔出し OKなDJさんの紹介がおこなわれる。マスコミは7社ほど入っていただろうか。 雑誌新聞がメインらしく、TVカメラはみあたらなかった。


 スタート時刻をややすぎて、続々とお客さんが入り出した。あっという間に会 場はスシ詰め状態。最初のDJが軽く回し始める。最初は遠慮がちだった客も、 ムネオハウス初期の名曲「Shikaraba」がかかる頃になると、声をあげながら熱 狂しはじめた。それを煽るVJ。そう、今回特筆すべきなのはVJの才能である。 ムネオハウスのスレッドが立ってから2ヶ月弱。実際、イベントをおこなうこと が本決まりになってから、それほど期間はなかったはずだ。しかし、このイベン トに向けて、非常に濃密な多種多様のビジュアルが前方スクリーンに映し出され、 観客の気持ちを時には煽り、時には笑わせていた。内容的には、DJムネオの映 像を中心に、誰でも知っているようなTV映像を加工してあったり、誰でも知っ ているブランドをひねってみたりといったタイプのものが多かったのだが、これ は、DJムネオの楽曲にも共通する、「メディアもまた素材である」というテー マで貫かれていたように感じた。そう、このメディアにあふれた時代にあって、 そのメディアが洪水のように流出させる文字、音声、映像は、我々にとっては既 に新たな作品を創製するための素材ともなりえるのである。


■オフラインで醸し出される奇妙な一体感


 DJムネオの映像がスクリーンに映し出される度に声を上げ歓喜するオーディ エンス。そして、MCの最後にかけられた「ワショーイ」のかけ声。ここに集まっ た人間は、少なくとも一度は2ちゃんねる@テクノ板を訪れた人たちなのである。


 会場は、一般的なクラブイベントとは異なる、異様なまでの一体感に包まれて いた。そう、我々は同じスレッドに集う仲間なのである。これまで、2ちゃんね るで祭りといえば、ネット上でなにかをおこなうということが多かった。しかし、 吉野家オフしかり、オフラインも絡めた「祭り」イベントも自然と増えてきてい る。そういった2ちゃんねる発の各種イベントでの一体感は、言葉にしがたい特 別なものがある。もし、これらのイベントにまだ参加したことのないという方が いらっしゃったら、是非おそれずに参加していただきたいものである。もう、 「2ちゃんねる」は、ネット上だけの現象なのではないということを体感してい ただけると思う。


■コミュニティによる新しい音楽創作


 今回のイベントが注目された理由はいくつかあるだろう。ひとつは社会的な事 象を実にタイミング良く取り入れ、メディアから流れてくるものをサンプリング して表現した楽曲が非常にユニークで、誰が聴いても楽しめるものであったこと。 そしてそれがネット上の匿名コミュニティ「2ちゃんねる」発のものであり、作 者がフリーで公開し、コミュニティ参加者が自由にそれを加工し、新しい表現へ と繋げることができたこと。特に後者に関しては、これからの音楽創作に新しい 道筋を示したということができるほどの成果を収めたのではないか。


 通常、音楽の世界で、より多くの聴衆を得ようと考えた場合、プロミュージシャ ンとして名をあげ、CDセールスを伸ばすしか法がなかった。ありていに言えば、 メジャーデビューするしかなかった。しかし、今回の場合、そのルートを一切経 ずに多くの聴衆を得ることができた。ムネオハウスには多くのミラーサイトが存 在し、そのダウンロード数の合計は定かではないが、イベントでの集まり具合や、 電波2ちゃんねるで用意したミラーサイトでのダウンロード数などを見る限り、 その聴衆の数は万単位になっていることは確実である。


 かつてこれほどまでの現象が国内であっただろうか。


 また、その音楽の創作の手法も、これまでとは全く異なる。ソフトウェアにた とえれば、これまでの音楽創作は、閉鎖されたグループで開発される、商用ソフ トウェアと同じである。OSで例を挙げればWindowsなどがそうである。それに 対し、「ムネオハウス」では、オープンな開発、そう、Linux風の開発手法がと られたのである。この新しい音楽流通と創作手法がはじめて万人に受け入れられ たのがムネオハウスムーブメントだというのは言い過ぎだろうか。かつていくつ かこのような試みがなされてきたのは見てきたが、これほどまでに盛り上がった 例を見たことがない。


■ブロードバンドが実現した贅沢な遊び


 今回のムーブメントの下支えをしたのが、「ブロードバンドの普及」である。 これまで、「回線は太くなって快適になったのは間違いないけど、だからといっ て目新しいことは何もない、プロバイダ事業者主導のブロードバンド戦争」とい うわけのわからないものに巻き込まれてきたんであるが(それはそれで安く高速 回線が手に入り、ありがたかったんであるが)、今回のムネオハウスムーブメン トを通じて、その遊び方がなんとなく見えてきたような気がする。


 mp3ファイルでかなり圧縮されているとはいっても、ムネオハウスの高音質な ファイルであれば1曲あたり3MB~5MB程度はある。


 日々新曲が発表される中で、これらを連日ダウンロードして聴き続けることが できるのも、ブロードバンド回線があってのこと。まったく贅沢で楽しい時代に なったもんだ。


■マスコミとムネオハウス(パーティ)


 一時期、ムネオハウススレッド@テクノ板でマスコミ対応について熱く議論さ れていた。筆者に言わせれば、こういったネットコミュニティにマスコミが入る と、トラブルの元であるので、無視が一番いいとしたいところである。そんなわ けで心配しながらヲチしていたのであるが、やはり少しモメゴトらしきものがあっ たようだ。いわく、我々の意図が汲み取られていない報道がされている云々。し かし、第三者が解釈して記事を書くわけであるから、間違いや、意味づけのはき 違いがあるのは当然である。例えば、この電波2ちゃんねるだって間違いを犯す 可能性は大ありである。


 そもそも、ムネオハウスパーティ自体、クチコミでこれだけの拡がりを見せて いるのであるから(だから取材も来るんだけど)、周知という意味での報道はあ まり意味はない。じゃぁ、なんなんだという話である。


ムネオハウスの今後


 ムネオハウスの今後について、イベント主催者側は「わかりません」とコメン トしている。たしかにいつまでも「DJムネオ」で盛り上がり続けるとは考えに くい。しかし、この新しい音楽ムーブメント自体はムネオハウスをひとつのステッ プとして、脈々と続いていくのは間違いない。電波2ちゃんねるでも、2ちゃん ねる発の音楽をこれからもつぶさにヲチし続けるし、応援し続けるつもりである。 是非とも次の「DJムネオ」が出てきて欲しいと無責任に思っている。


■電波2ちゃんねるサーバーもミラーしてるよん


 ムネオハウスレーベルの曲目はどの曲も秀逸であり、それはネット上で誰でも ダウンロードして楽しむことができます。電波2ちゃんねるのサーバーでもムネ オハウスの楽曲をミラーしていますので、まだ全部ダウンロードしてないよ、と いう方は立ち寄ってみてください。ただ、現在かなりのアクセスになってきてい るので、重いかもしれませんが。

http://ura.gozans.com/dempa/backno/muneohouse/



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