今夏の参院選へ向けて野党共闘が進む中、前哨戦となる衆院北海道5区の補欠選挙(4月24日投開票)で新党大地の鈴木宗男代表(67)が自民党公認候補の支持を表明。オール野党結成に待ったをかけた。
補選は昨年、町村信孝前衆院議長(享年70)の死去に伴い、行われる。自民党は町村氏の娘婿の和田義明氏(44)を擁立。一方、民主党は池田真紀氏(43)、共産党は橋本美香氏(45)が出馬表明していた。
すると「国民連合政府」を提唱し、オール野党結成を呼びかけている共産党は橋本氏の取り下げを示唆し、自民VS野党統一候補の構図になると目されていた。
ところが北海道で自民、民主に次ぐ勢力を誇る鈴木氏率いる新党大地が予想外の動きに出た。鈴木氏は9日、「理念や政策のすり合わせもなく、各党がただ選挙に勝てばいいという統一候補は一貫して反対。左と右で考えの違うボックスは一緒になれない」と共産党との相乗りを拒否し、自民党公認の和田氏支持に回ったのだ。
これには新党大地支援者も驚きを隠せない。「鈴木代表は前回の衆院選で町村氏、武部ジュニア(勤元自民幹事長の息子・新氏)、中川夫人(故中川昭一氏の妻・郁子氏)を落選させるべく、目の敵にしていた。町村氏は亡くなったとはいえ、その後継者を支援するとは仰天です」
さらに鈴木氏の娘・貴子衆院議員(30)は一昨年の衆院選で新党大地から民主党に“嫁入り”し、比例復活している身。「もし貴子氏が父の宗男氏とともに自民支持に回るとなれば貴子氏は反党行為とも問われかねない。そこまでしても宗男氏は共産党と組みたくないということなんでしょう」(永田町関係者)
野党勢が北海道5区の補選でオール野党結成を足がかりに夏の参院選へ弾みをつけようとした矢先の青写真崩壊。予想以上ともいえる共産党アレルギーが北の大地で“発芽”してしまったようだ。
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自民党・高村副総裁 ロシアへ出発 / 安倍首相 領土交渉での訪露示唆
- 高村自民党副総裁、ロシアへ出発 (47NEWS)
自民党の高村正彦副総裁は10日午前、ロシアのラブロフ外相や、プーチン大統領側近のナルイシキン下院議長と会談するため、ロシアに向けて民間機で成田空港を出発した。北朝鮮の核実験への対応などをめぐり意見交換するとみられる。安倍晋三首相から北朝鮮問題に関するプーチン氏宛ての親書を託されており、プーチン氏との面会も要請している。
高村氏は一連の会談で、北方領土問題の進展に向けたプーチン氏の今年前半の来日実現についても協議する方向。春ごろで調整している首相訪ロへの地ならしも図りたい考えだ。
安倍晋三首相は10日のNHK番組で、北方領土を巡る交渉で年内にロシアを訪問してプーチン大統領と会談する可能性を示唆した。首相は北朝鮮による核実験やシリアを巡る問題、サウジアラビアとイランの関係悪化をあげ、「ロシアの建設的な関与が必要だ。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)議長国として、プーチン大統領と会って話すことも重要だろうと考えている」と述べた。
首相は今春にもロシアの地方都市を訪問した上で、夏の参院選後にプーチン氏の来日を目指している。プーチン氏の来日については「適切な時期に実現したい」と語った。
また、慰安婦問題の日韓合意について、「お互いに国民感情がある中で両首脳が判断した。日本においても私の判断に反対の声もある」と述べた上で、「お互いに(合意内容を)実行していくことが大事だ」と、理解を求めた。日本側が撤去を求めるソウルの日本大使館前にある従軍慰安婦問題を象徴する少女像については、「(韓国政府に)適切に対応いただけると確信している」と述べた。【細川貴代】<<
衆院道5区補選 新党大地 自民公認候補支持を表明
辻元清美 朝生元旦スペシャルで田原総一朗に怒鳴られる
元日未明に放送された「朝まで生テレビ! 元旦スペシャル」(テレビ朝日系)で、田原総一朗氏が、民主党の辻元清美衆院議員を一喝する場面があった。
番組では、「安倍政治 国民の選択と覚悟」と題して、安倍政権下で噴出したさまざまな問題について、出演者たちが激論を交わしていた。
話題が、安倍政権が実施する経済政策の功罪に移ったときのことだ。辻元議員は「みな、物が買いたくても買えなくなっている」と指摘し、安倍政権の進める経済政策で非正規雇者が増えたことが、内需の拡大を抑制していると批判した。
辻元議員は続けて、先の小泉政権下で経済政策の旗振り役となった元金融担当大臣の竹中平蔵氏を俎上に上げる。辻元議員は、竹中氏が当時推進した政策によって、人々が生活するために必要な商店街が苦しくなり続けている、というのだ。
田原氏がそこで「ちょっと、ねぇ」「辻元さん!辻元さーん!」と何度も声をかけたが、辻元議員は応じることなく、竹中氏に対する追及を続けようとする。すると、田原氏はついに我慢の限界を迎えたのか、辻元議員に向かって「人の話を聞けよ!」と怒鳴り声を上げたのだ。
田原氏の激しい剣幕を目の当たりにして、辻元議員はたじろいだ様子で「いや…」と呟くばかりで、一気にトーンダウンしてしまった。そんな辻元議員を尻目に、田原氏は「つまり、商店街が苦しいのは、要するにチェーン店が増えていることなのよ」と語り、商店街の主な衰退原因は業態の変化によるものだという見解を示している。
衆院道5区補選 野党共闘に暗雲
来年4月の衆院道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙で、出馬表明した民主党北海道・道民生活局長の池田真紀氏(43)を統一候補とした共闘を野党各党が模索する中、新党大地の鈴木宗男代表がキャスチングボートを握ろうと躍起だ。共産党は共闘に前向きだが、鈴木氏は「保守票が離れる」と反発する。池田氏への支援を新党大地に求める民主党は、難しい調整を強いられそうだ。
「共産党を含んだ野党統一候補はあり得ないというのが明快な考えだ」。鈴木氏は26日、札幌市内で開いた大地の政治資金パーティーでこう述べ、池田氏と共産党の連携をけん制した。民主党北海道副代表を務める鈴木氏の長女貴子衆院議員も、記者団に「共産党が入った候補には乗れない」との考えを示した。
野党共闘の動きは、上田文雄前札幌市長らがつくる「戦争させない北海道をつくる市民の会」が、池田氏に無所属の統一候補として出馬要請したのがきっかけ。安全保障関連法廃止を唱える共産党の志位和夫委員長も呼応し「いつでも話し合いに応じる」と、擁立を決めた橋本美香氏(45)の出馬取り下げの可能性を示唆する。
しかし、鈴木氏は「取り下げも『選挙協力』だ」と共産党への強い拒否感をあらわにする。主導権を握ろうとする鈴木氏に対し、22日に国会内で会談した民主党の玄葉光一郎選対委員長は、共産党に5区補選で政策協定や選挙協力を呼びかけない意向を伝えた。25日には上田氏が鈴木氏を訪ね、協力を要請。鈴木氏は難色を示したという。<<