鈴木宗男氏、ロシアびいき発言が物議

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、日本はアメリカなどと同様にロシアを非難する立場を取っている。これが世界の主流の流れと言えるが、その中でロシア寄りの発言を繰り返しているのが、日本維新の会鈴木宗男参議院議員だ。


2月28日には、参議院予算委員会の場で岸田文雄首相に対し、「国連憲章はあっても国際法という法律はない」と自説を展開。ロシアの行動は、必ずしも違法ではないといった主張を行いたかったのだろう。3月1日のオフィシャルブログでも「ロシアにも話かけるべきである。いかほどの制裁を科しても紛争は収まらない」と主張。プーチン大統領の孤立化とロシアへの経済制裁に反対の立場を取っている。こちらも日本政府のスタンスとは異なるものだ。こうした一連の発言を受け、ネット上では「なんで鈴木宗男はこんなにロシアびいきなんだろう」「この時期にロシア擁護するのか」といった声が聞かれる。


鈴木氏はもともとロシアと関わりの深い政治家として知られる。地元の北海道の選挙区が北方領土を抱えているため、この問題にライフワーク的に取り組んできた。さらに、かつてはロシアから天然ガスのパイプラインを引く大胆な計画を提言したこともある。


鈴木氏は2019年に日本の維新の会から参院選へ出馬し、9年ぶりに国政復帰を果たした。野党議員の立場でありながら、ロシアと深い繋がりを持つため、安倍晋三首相(肩書は当時)の北方領土返還交渉にも影響力を及ぼしたと言われている。


だが、ロシアに深くコミットしている分、過去には汚職疑惑が明らかになったこともある。北方領土の一つ、国後島に作られた「日本人とロシア人の友好の家」の建設に鈴木氏が深く関わり、現地では「ムネオハウス」と呼ばれていると、2002年に共産党佐々木憲昭衆議院議員(肩書は当時)が国会で追及し話題となった。


このトピックを皮切りに、鈴木氏に関わる様々な汚職疑惑が明らかに。鈴木氏は裁判で実刑判決が確定。議員を失職し収監されたが、現在も鈴木氏は国策捜査であり冤罪であると主張している。


ロシアと深い関わりを持ってきた鈴木氏なりの考えもあるのかもしれないが、あえて世論の流れに逆行するかのような振る舞いは物議を醸しそうだ。