国後島から来た男性 一時庇護上陸認められず

北方領土国後島から来たというロシア人男性が根室管内標津町で保護された問題で、日本政府が難民に該当しないとして、特例的に上陸を認める「一時庇護(ひご)のための上陸」を不許可としたことが、政府関係者への取材で分かった。男性は入管施設に収容されたという。国営ロシア通信は29日、在札幌ロシア総領事館関係者の話として、男性が不法入国で拘束され、どのように日本に渡航したかの調査が続いていると伝えた。

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上川陽子法相は27日の記者会見で、個別事案については答えないとした上で「申請内容を審査した上で難民条約の定義に基づき、難民と認定すべき者を適切に認定するのが基本だ」と説明。日本は北方四島を「固有の領土」としているため、男性は国内を移動したにすぎないが、政府は男性をロシアから国後島を経て不法入国した外国人として扱った上、難民に該当しないと判断したとみられる。

北海道内で今月19日に警察に保護され「亡命のため国後島から泳いできた」と話しているロシア人男性V・ノカルド氏について、ロシア大衆紙コムソモリスカヤ・プラウダ電子版は29日までに、日本への亡命が認められず、9月初旬にもロシア側に引き渡される見通しだと伝えた。

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