サハリンで対日戦勝パレード

【モスクワ時事】ロシアは事実上の対日戦勝70年記念日の2日、サハリン(樺太)の州都ユジノサハリンスク(豊原)で軍事パレードを行った。国営テレビが伝えた。ソ連軍を「解放者」とみなし北方領土支配の根拠とする「第2次大戦の結果」を誇示し、日本の領土返還要求をけん制する目的もありそうだ。
プーチン大統領は1日の中ロの国営通信社とのインタビューで、日本への名指しを避けながらも「欧州でもアジアでも大戦の歴史を見直す動きが見られる」と批判した。
パレードには、1日に北方領土択捉島を訪問したトカチョフ農相も合流。初めて陸海空軍がそろって参加し、ユジノサハリンスクで午前10時(日本時間同9時)から兵員700人以上、軍事車両24両、航空機14機のパレードが行われ、コルサコフ(大泊)沖では午後1時(日本時間正午)から艦艇5隻のパレードを実施。夜には花火が打ち上げられる。 
軍事パレードは、極東ハバロフスクでも8月29日に催され、兵員1000人以上が行進した。この際、スロビキン東部軍管区司令官は「解放軍であるソ連兵に勝る者はいない。満州中国東北部)、サハリン、クリール諸島(北方領土と千島列島)方面の作戦の成功は、日本軍の敗北を決定付けた」と演説した。
プーチン大統領は2日、対日参戦の基地となった極東ザバイカル地方チタを訪れ、ソ連兵の慰霊施設で献花。この後、北京入りし、3日の中国の抗日戦争勝利70年記念行事に出席する。習近平国家主席と「歴史の改ざんに反対する」という立場で共闘し、ロシアの愛国心高揚を図る。
ロシアはメドベージェフ首相が大統領だった時代の2010年、日本が降伏文書に調印した9月2日を「第2次大戦終結の日」に制定した。首相は8月22日、自身3回目の北方領土訪問を強行したばかりだ。(2015/09/02-09:14)<<