露・プーチン大統領 北方領土交渉中断は日本のせい / 岸田外相は反論

【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は16日、北方領土問題について「日本と交渉する用意があるが、日本側のイニシアチブで事実上停止している」と述べた。国民の質問に答えるテレビ特番後、インタファクス通信など記者団に語った。
大統領は一方で、ロシアが昨年3月に強行したウクライナ南部クリミア半島編入に関して「平和条約でも、領土問題でも、ロシアの対日関係のアプローチに何ら変更はない」と述べ、北方領土交渉には影響しないとの認識を示した。
プーチン大統領は昨年11月、北京で安倍晋三首相と会談し「(今年の)適切な時期の訪日に向けて準備する」ことで一致したが、ウクライナ危機を受けた日米欧の対ロシア制裁で日ロ関係は停滞している。大統領発言は、関係停滞の原因が日本側にあるとして批判する一方、クリミア編入によってロシア国民の愛国心が高まり、北方領土交渉への悪影響があるとの見方を打ち消し、硬軟両様で日本に揺さぶりをかける狙いとみられる。 
プーチン大統領は5月9日のモスクワでの対ドイツ戦勝70年記念行事に安倍首相を招待したが、日本側は出欠を回答していない。大統領はこの日のテレビ特番で、不参加国には米国が圧力をかけていると批判した。(2015/04/17-00:48)

岸田文雄外相は17日午前の閣議後の記者会見で、北方領土交渉の停滞は日本側に原因があるとのプーチン・ロシア大統領発言について、「平和条約締結交渉について、日本側が止めている事実は全くない」と反論した。
また、岸田氏は2013年4月の日ロ首脳会談の際にまとめた共同声明を挙げ、「双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる点で合意している。ロシア側も合意に従い真剣に、交渉に臨むことを期待する」と強調した。(2015/04/17-10:09)<<