北方領土ビザ無し訪問団 国後島へ出発 樽床前北方相、鈴木貴子議員ら参加 他

民主党樽床伸二前沖縄北方担当相(落選中)や新党大地の鈴木貴子衆院議員らが参加した北方四島とのビザなし交流日本側訪問団が30日午前、国後島に向け北海道根室市根室港を出発した。
一行は同日午後、国後島に到着し、9月1日まで島内で視察やロシア人住民との交流を行い、2日昼、根室港に戻る予定。島内では「友好の家」(通称ムネオハウス)に宿泊する。
今回の交流は北方領土問題対策協会(東京)の主催。領土問題に詳しい山田吉彦東海大教授も参加している。

近くペテルブルグで開催されるG20サミットの枠内では安部晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領との日ロ首脳会談が予定されている。長年にわたってロシアとの関係に真摯に取り組まれている新党大地鈴木宗男代表に、VOR「ロシアの声」安本浩祥アナウンサーがお話を伺った。

日ロの協力の展望について、先生のお考えをまずはお聞かせください。

―世界一のエネルギー資源大国ロシアと世界一の応用技術日本が、しっかりとジョイントし、協力関係を持っていくことによって、世界に貢献するものだと考えています。ここ6年間、日本では1年ごとに総理大臣が変わりました。今度の安部政権は長期政権になりますし、長期政権にさせなくてはなりません。そのうえで、安倍首相とプーチン大統領とのいわいる個人的な信頼関係、さらには国対国との大きな、世界の歴史を作るという視点に立った人間関係を結んでもらうことによって、世界に大きな貢献ができると期待しています。

つまり安倍首相には大きな期待がかかっているということですね。

―少なくとも橋本龍太郎政権、小渕恵三政権、森喜朗政権での日ロ関係はとても良好でした。日ロ関係が強い時は、中国も韓国も日本にクレームをつけることはありませんでした。ところが小泉純一郎政権が誕生し、米国一辺倒の外交になってしまい、日ロ関係が頓挫してしまいました。日ロ関係が弱くなったのを見て、中国、韓国は強く出てきます。中国も韓国もロシアのエネルギーは無視できません。ウラジオストクからのパイプライン等、これからロシアに世話になることもたくさんあるわけですから。

ですから米国だけに頼るという日本のエネルギー政策では、日本に明日はないと考えています。やはり、「近くて近い」ロシアです。一番の隣国ですから。日本には「遠くの親戚より近くの他人」という言葉があります。この先人の英知を学ばなくてはなりません。

それが先生のおっしゃっている地政学という点になるわけですね。

地政学的に見て、日本とロシアのウェイトは高いのです。米国の一人勝ち、では世界のバランスは良いものではありません。同時に「世界の警察・米国」という冠はなくなってきているわけです。いまシェールガスで米国が強気に出ていますが、地球環境問題など、どこかで挫折するものだと思います。ロシアのガス、石油というのは、いまサハリンでもシベリアでもやってはいますが、最後はカスピ海まで控えているわけです。ここを無視することはできません。

ロシアとしても、中国、韓国に対する考え方があるわけです。それは文化的にも歴史的にも、中国に対する警戒、韓国に対する警戒があるわけです。一方、日本とは特別な意識はありません。この点を生かさないといけないと思っています。
(以下略)

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