鈴木宗男関連裁判 鈴木宗男の上告棄却 実刑確定へ

林野庁や旧北海道開発庁を舞台にした汚職事件で、受託収賄やあっせん収賄など4つの罪に問われた、「新党大地」代表の衆院議員、鈴木宗男被告(62)の上告審で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は、鈴木被告側の上告を棄却する決定をした。懲役2年、追徴金1100万円の実刑判決とした1、2審判決が確定する。決定は7日付。
決定が送達されてから3日間は、異議を申し立てることができる。鈴木被告側が異議を申し立てないか、最高裁が異議を棄却することで、確定。確定すれば、国会法と公職選挙法の規定により議員を失職し、収監される。こうした規定で現職国会議員が失職するのはゼネコン汚職事件にからみ、平成15年にあっせん収賄罪で実刑が確定した元建設相、中村喜四郎衆院議員(61)以来。

よって収監までは意義申し立ての手続きが残っている。

今回の裁判で有罪が認定された内容。

上告棄却決定を受けて、午後5時すぎから東京・永田町の衆院議員会館で会見を開いた鈴木議員は、捜査段階から続けてきた無罪主張を改めて展開。「密室での取り調べ、一方的な調書、その調書を金科玉条のごとく最優先する判決。真の公正公平はどこにあるか」と裁判所の判断も批判。わいろだとの認識を裁判以外の場で否定したという贈賄側関係者の陳述書も配り、「司法の判断は判断としても、これが真実だということを、自信をもって公言したい」と力説した。
胸元には、自ら結成した新党大地のシンボルカラーでもある、緑のネクタイ。失職後の政治活動については「私の志はきちんと受け継ぐ者がいると考えている」と述べた。
笑顔も見せながら話していた鈴木議員の表情が一転したのは、家族の反応を聞かれた時。「犯罪者の家族になる、犯罪者の子どもと言われるということについては申し訳ないという思いでいっぱいです」と話すと涙があふれ、娘が電話で励ましてくれたことについては「親として申し訳ないと思いながらも、ありがたい」と声を震わせた。

記者会見での発言。

10日に釧路市で予定されている議員勤続25年のパーティーについて「本人は来られるのか。収監までの日数や比例の議席がどうなるかなど、今後の推移を見ていきたい」と話した。

他紙によるとパーティーのタイトルは「議員勤続25年・新党大地5周年記念『2010ムネオ感謝祭』」とのこと。

「このタイミングでの上告棄却は非常に政治的と思う。一つは、郵便不正事件の公判で10日、厚生労働省元局長に無罪判決が出る公算が大きく、検察捜査への批判が高まる。さらに民主党代表選で小沢一郎氏が当選し、鈴木氏を要職に起用すれば、鈴木氏に手をつけられなくなる。それを恐れて先手を打ったのではないか。機密費問題などで追及する人物がいなくなり、一番喜んでいるのは外務官僚だろう」

松山さん「今回の最高裁の判決に関しては、大変残念に思います。『真実』というのは、なかなか裁判では明らかにならないんだなぁと感じました。自分はこれからも鈴木宗男さんを信頼し、支持していきます」

鈴木被告が続けてきた「国策捜査」との批判に、ある検察幹部は「有罪の証拠があるから立件したのであってあり得ない」と指摘した。捜査に携わっていた検事は「国民の監視の目も厳しい今ではあんな不正はできないだろう。ある意味、時代を象徴していた」と振り返った。
 最高検の池上政幸刑事部長は「検察の主張を全面的に認めたもので妥当な結論」とコメントした。

各方面からの声。