鈴木宗男@葉鍵

鈴木宗男氏と政界の人々をノベルゲームスタイルでSSネタにするスレッド。
先鞭を付けたのは3月15日に投下されたKanonネタのこの作品。


24 名前: ◆KannaC8o [sage] 投稿日:02/03/15(金) 19:07 ID:4/vayWrY

【ムネヲ】「それでは、ボクの最後のお願いですっ」
【ムネヲ】「…純一郎君…」
【ムネヲ】「…ボクのこと…」
【ムネヲ】「…ボクのこと、忘れてください…」
【ムネヲ】「ボクなんて、最初からいなかったんだって…」
【ムネヲ】「そう…思ってください…」
悲痛な笑顔が崩れていた。
溢れる涙が、頬を伝って流れ落ちる。
【ムネヲ】「ボクのこと…うぐぅ…忘…れて…」
【純一郎】「本当に…それでいいのか?」
【純一郎】「本当にムネヲの願いは俺に忘れてもらうことなのか?」
【ムネヲ】「だって…」
【ムネヲ】「ボク…もうお願いなんてないもんっ」
【ムネヲ】「…本当は、もう二度と食べられないはずだった、ふぐさし…」
【ムネヲ】「いっぱい食べられたもん…」
【ムネヲ】「だから…」
【ムネヲ】「だか…ら…」
【ムネヲ】「ボクのこと、忘れてください」
【ムネヲ】「…純一郎…君…?」
ムネヲの持っていた偽造パスポートが、床の上に落ちる。
【ムネヲ】「……」
小泉は、ムネヲの小さな辞表を抱きしめていた。
悲しい思い出を背負って…。
自分の運命を真正面から見据えて…。
そして、最もマズい選択を選んだ男…。
25 名前: ◆KannaC8o [sage] 投稿日:02/03/15(金) 19:07 ID:4/vayWrY

【ムネヲ】「…純一郎君…」
禿げを撫でるように、頭に手を置く。
【ムネヲ】「…ボク…もう隠居じゃないよ…」
【純一郎】「お前は隠居だ」
【ムネヲ】「…そんなこと…ないもん…」
【純一郎】「ひとりで先走って、周りに迷惑ばっかりかけてるだろ」
【ムネヲ】「…うぐぅ…」
【純一郎】「そのくせ、自分で全部抱え込もうとする…」
【純一郎】「その、小さな体に、全部…」
ムネヲの辞表を、一際強く抱き寄せる。
【ムネヲ】「…純一郎…君…」
【純一郎】「お前は、ひとりぼっちなんかじゃないんだ」
【ムネヲ】「…純一郎君…」
【ムネヲ】「…ボク…」
すぐ近くで聞こえるムネヲの声。
涙混じりの小さな声。
【ムネヲ】「ホントは…」
【ムネヲ】「ボク、ホントは…」
【ムネヲ】「もう1回…純一郎君と、高級料亭で食べたいよ…」
声が、嗚咽に変わっていた…。
【ムネヲ】「もっと、純一郎君と一緒にいたいよ…」
【ムネヲ】「こんなお願い…いじわる、かな?」
【ムネヲ】「ボク、いじわる、かな…」
俺は、返事の代わりに、ムネヲの辞表をぎゅっと握り締めた。
それこそ、小さな辞表が、潰れるくらいに…。
【ムネヲ】「…純一郎君…」
【ムネヲ】「ボクの支持率、まだあったのかな…」
【純一郎】「当たり前だ」
【ムネヲ】「…よかった」
26 名前: ◆KannaC8o [sage] 投稿日:02/03/15(金) 19:08 ID:4/vayWrY

ふっと、マスコミから話題が消える。
まるで、最初から何も存在していなかったかのように…。
その場所には、誰の姿もなかった…。
偽造パスポートも…。
辞表も…。
そして、最後に残った風評さえも、冷たい風に流されていく…。
でも…。
これだけは言える。
最後のムネヲは、間違いなく泣き顔だった。
【純一郎】「そうだよな…ムネヲ」




※さりげなく、いらん事をして去っていく(^_^)/~

[Leaf・key@2ch] 鈴木宗男@葉鍵
これの出来が良かったようで、その後にフォロワー達によるいい意味で気持ちの悪い作品が投下されていました。この手のネタが好きな界隈ではそれなりにヒットしたようで、まとめサイトも出来ています。

音楽のムネオハウスとは無関係ですが、この時代の2ちゃんねるでの鈴木宗男パロディの一つという事で、記録代わりに載せておきます。