安部首相 G7前にウクライナ訪問へ / ロシア ミストラル級強襲揚陸艦の購入断念 他

安倍晋三首相は6月5、6日の日程でウクライナを訪問し、ポロシェンコ大統領と会談する方針を固めた。政府関係者が26日、明らかにした。日本の首相がウクライナを訪問するのは初めて。首相は続いて7、8日にドイツで開かれる主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)に出席する予定だ。

【モスクワ=遠藤良介】ロシアの軍需産業当局者は26日、フランスがウクライナ情勢をめぐってロシアへの納入を凍結しているミストラル強襲揚陸艦について、購入を断念したことを明らかにした。イタル・タス通信が伝えた。ミストラル級の1隻目は日本の北方領土をにらむ極東ウラジオストクに配備される予定だったが、この計画も白紙に戻ることになる。
ミストラル級はヘリ16機を搭載、海兵450人を輸送でき、遠隔地への兵力投入や指揮機能に優れている。ロシアは2011年6月に12億ユーロ(約1600億円)で2隻を購入する契約に署名した。
しかしフランスは昨年9月、ロシアがウクライナ東部に軍事介入していることを理由に、10月に予定されていた1隻目の引き渡しを凍結していた。
露当局者は、ミストラル級の購入断念が「既成事実だ」とし、フランスとの間で契約破棄に伴う賠償交渉に入っていることを明らかにした。ただ露紙コメルサントによると、賠償の額や手順をめぐり双方には大きな隔たりがある。
ロシアがミストラルを発注した背景には、08年8月のジョージアグルジア)紛争で、旧式の揚陸艦艇が機能不全を露呈したことがあった。ロシアはこれを機に地域紛争に際して機動力向上させる大規模な軍改革に着手し、ミストラルはその象徴と考えられてきた。
ミストラル級の2隻目については、ウクライナ南部クリミア半島黒海艦隊に配備するとみられていた。

根室北方領土ビザなし交流で本年度の皮切りとなるロシア側訪問団が27日、日本のチャーター船「えとぴりか」(1124トン)で根室港に到着した。
一行は国後、択捉、色丹のロシア人青少年ら50人。28〜31日に東京に滞在し、各種施設の見学や高校、大学生との交流などを行う。帰島は6月1日。
根室港では27日、市民がロシア語で「ようこそ」と書かれた旗を掲げて出迎えた。団長のオリガ・フョードロワさん(43)=択捉島在住=は「日本の文化に触れ、同じ年代の子供たちが交流することが楽しみ」と語った。本年度のロシア人訪問団の受け入れ事業は、計6回の実施の予定。<<