日露両政府 歯舞訪問手続きを簡素化 / 鳩山由紀夫 沖縄本土復帰記念式典に参加 他

玄葉光一郎外相は15日午前の閣議後の記者会見で、北方領土の元島民らが墓参などで歯舞群島を訪問する際の出入手続きを簡素化することでロシア政府と合意したと発表した。
16〜18日にかけて行われる同群島志発島への自由訪問に適用され、玄葉氏は「今回1回限りの措置だが、高齢となった元島民の負担を踏まえてロシア側と調整していきたい」と述べ、簡素化の継続を求める考えを示した。 
歯舞群島の訪問には、北海道根室市から船で約4時間半の国後島古釜布での出入手続きが必要だった。今回の合意では同群島水晶島沖での手続きが可能となり、移動時間の短縮や高齢者の元島民の負担軽減につながる。玄葉氏は1月の日ロ外相会談で、ラブロフ外相に北方領土出入手続きの簡素化を求めていた。(2012/05/15-12:32)

自民党溝手顕正参院幹事長は15日の記者会見で、沖縄県の本土復帰40周年記念式典に、在日米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題で迷走した鳩山由紀夫元首相が出席したことについて「民主党の外交担当の最高顧問として行ったようだが、ちゃんちゃらおかしい。かえって沖縄の世論を逆なでして困ったことになる」と批判した。
脇雅史参院国対委員長も「今、行くという無神経さは本当に理解できない」と非難した。
みんなの党江田憲司幹事長も15日の記者会見で「ガラス細工のように積み上げた基地返還の道筋を粉々にしてしまった。その罪は万死に値する」と痛烈に批判。さらに「一刻も早く民主党政権を交代させるのが沖縄問題解決の最低条件だ」とも述べた。

鳩山由紀夫元首相は15日、沖縄県宜野湾市で講演し、首相在任時に米軍普天間飛行場の移設先をめぐり迷走したことについて「心からおわびしたい」と謝罪した。鳩山氏は「最低でも県外」と述べたが、後に県内移設に回帰していた。
一方で鳩山氏は「今も『最低でも県外』という気持ちだ。それを果たさなければ、沖縄の皆さんの気持ちを十分に理解したとは言えない」と述べた。
鳩山氏は「自分の思いが先に立ちすぎて綿密なスケジュールを取れず、多くの方を説得できなかった。結果として皆さまにご迷惑をかけた」と釈明した。
移設先について「国内で『受け入れる』という自治体が出てほしかった」と述べた。鹿児島県・徳之島への移設を一時検討したことにも言及し「反対論の中で難しい状況になった。迷惑を掛けた」と陳謝した。

岡田克也副総理は15日の記者会見で、民主党政権下での米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設問題の迷走について「『県外』と鳩山(由紀夫元)首相が明言したことで、もともと難しい問題をさらに難しくした。(県民の)期待感が高まり、それを裏切られたという気持ちが、さらに問題を複雑にしたことは間違いない」と指摘した。
 岡田氏は鳩山政権で外相を務めた。自身の責任については「結果については責任を負わなければいけないと思っている」と述べた。 (2012/05/15-17:33)

今国会で、衆院外務委員会が5分程度しか開かれていない。前半は、民主党田中真紀子委員長が(68)が前国会で強行採決をしたため野党が反発し、最近は、問責可決された夫の直紀防衛相(71)が居座っていることが原因という。普天間飛行場移設問題など懸案を多数抱えているが、田中夫妻は現状をどう考えるのか。
衆院委員部によると、1月24日に開会した通常国会で、外務委員会は、4月18日に玄葉光一郎外相が所信を表明した約5分開かれただけで、質疑はゼロだ。
きっかけは、昨年12月の臨時国会での強行採決。野党が、日本とペルーの経済連携協定(EPA)などの批准承認案について採決見送りを求めたところ、真紀子氏が職権で委員会を開き、自民、公明両党などが欠席するなかで押し切った。野党は猛反発し、委員会は休業状態に突入した。
野党委員によると、真紀子氏はこの後、「知恵を出してくださいよ!」と野党理事に言い放った以外は、目立った動きはなし。与野党理事で協議した結果、4月12日の理事懇談会で、真紀子氏が「(議事進行を)反省している」と陳謝し、同18日の玄葉氏の所信表明でいったんは正常化した。
ところが、参院に直紀氏らの問責決議案が提出され、同20日に可決された。外務委員会では、北朝鮮ミサイル問題など、直紀氏関連の議論もあり、野党は直紀氏の交代がない限り、審議に応じない姿勢に。再び休業状態に陥った。
外務委員である自民党小野寺五典衆院議員は「真紀子氏がきっかけで委員会が止まり、動いたと思ったら、ご主人の問責で止まった。あり得ないことだ。外交的な懸案は数多くあり、私たちは議論をしたいが、できない環境を放置しているのは、政府・与党と委員長の責任だ」と話す。
一方、民主党関係者は「野党側の主張も分かるが、委員会には多くの法案が積み残っている。こちらが審議を呼びかけると『野田首相を出せ』など無茶な要求をしてくる。国民のために審議に応じてほしい」と語る。
ちなみに、真紀子氏には、国会会期中には委員長手当に当たる「議会雑費」が1日6000円支給されている。1月24日から5月14日までの111日で66万6000円。仮に、5分間勤務として時給換算したら159万8400円になる。
小野寺氏は「外務委員会の職員も仕事がない。税金の無駄遣いだ。早く、議論できる態勢をつくってほしい」と話す。
真紀子氏の事務所にも何度も電話を入れたが、応答はなかった。

外務委員会が止まっていた件についての夕刊紙らしい記事。