岸田外相 ウクライナ訪問へ

岸田文雄外相は11日の記者会見で、ウクライナを今月16、17両日の日程で訪問すると発表した。ウクライナ支援の姿勢を示すことで、主要7カ国(G7)との協調路線をアピールする。一方で安倍晋三首相は北方領土問題の進展に意欲を示しており、政府は、G7と対立するロシアのプーチン大統領の訪日を予定通り今秋に実現させたい考えで、綱渡りの外交戦略を強いられている。
岸田氏はウクライナ訪問中、ポロシェンコ大統領ら同国要人と会談し、日本のウクライナ支援策などについて説明する。岸田氏は会見で「G7をはじめとする関係国と連携を図り、ウクライナ問題を平和的に解決する努力を続けたい。今回の訪問は、こうした姿勢を示す機会になる」と述べ、G7との連携をアピール。一方でロシアについて「引き続き政治的な対話は続けたい」と説明し、日露関係の維持にも努める方針を示した。
ウクライナ情勢の悪化を受け、岸田氏は4月に予定された訪露を見送り、政府は表向きはG7との協調路線にかじを切った。だが、北方領土問題に意欲を示す首相は5月に側近の谷内正太郎国家安全保障局長をロシアに派遣。政府は9月下旬の国連総会の機会を利用して、延期となっている日露外相会談を開催し、秋の大統領訪日につなげる戦略も描く。
今月4日の外務省人事では、日露外交を主管する欧州局長に第1次安倍政権で首相秘書官を務めた林肇・内閣審議官を登用。官邸主導で日露外交を進める布石も打った。だが、日露が接近すれば、米欧から反発が出るのは必至だ。岸田氏は会見で「(ロシアの)クリミア編入ウクライナ東部の親露派武装勢力の動きは、ウクライナの主権や領土の一体性を侵害するもので、断じて許すことはできない」とロシア側の対応を批判してみせた。【福岡静哉】<<