中露 戦勝70年で合同記念行事開催

【モスクワ田中洋之】ロシアのプーチン大統領は20日からの中国訪問を前に中国主要メディアのインタビューに応じた。露大統領府が19日に公表した会見内容によると、大統領は「(中露が)第二次大戦の結果の見直しは容認できないとの立場で一致している」と述べ、来年の大戦終結70周年に合同で記念行事を開く考えを示した。20日に上海で行われる習近平・中国国家主席との首脳会談で合意し、共同声明に盛り込まれる見通し。大統領は日本について直接の言及を避けたが、中国側は「対日戦勝70年」にちなんだ中露連携を日本へのけん制材料に使うことが予想される。
プーチン大統領は、歴史見直しの試みが「非常に危険な結果をもたらす」と強調。ウクライナで極右・民族主義勢力が台頭し混乱が広がっているのはその表れだと指摘した。ロシアは北方領土について「第二次大戦の結果、ロシア領になった」と主張し、日本の返還要求を認めない立場を取っている。
中露は大戦終結65周年の2010年9月、当時のメドベージェフ大統領と胡錦濤国家主席が会談し「歴史の歪曲(わいきょく)を非難する」との共同声明を発表。メドベージェフ氏は同年11月にソ連・ロシアの国家元首として初めて北方領土国後島を訪問し、日露関係が悪化した。一方、プーチン大統領北方領土問題の解決に前向きな姿勢を示しており、70周年に向けた対応が注目される。
70周年記念行事を巡っては、習主席が2月にロシア・ソチでプーチン大統領と会談した際、合同での開催を呼びかけていた。<<