新党大地 4選挙区での公認候補を発表 / 辻元清美 ヤジを浴びる / 連合新潟 田中真紀子推薦せず

新党大地・真民主は23日、12月16日投開票の衆院選で北海道1区にスピードスケート五輪金メダリストの清水宏保氏(38)を擁立するなど新たに道内の4選挙区での公認候補擁立を発表した。
札幌市で記者会見した清水氏は「2日前に決断した。選挙は五輪と似ている。誰よりも覚悟はあるし、やっていける自信もある」と決意表明。鈴木宗男代表は「数は少ないがきらりと光る候補を用意した」と説明した。
清水氏は北海道帯広市出身。1998年の長野冬季五輪スピードスケート男子500メートルで金メダル、1000メートルで銅メダルを獲得した。現在はタレントとして活動している。
また、北海道3区に美容健康研究家の町川順子氏(53)、4区にオウム真理教事件でカウンセラーとして活躍した認知科学者の苫米地英人氏(53)、10区に同党所属の浅野貴博前衆院議員(34)を擁立することも発表した。8区から出馬予定の新党「国民の生活が第一」の北出美翔氏(26)の推薦も決めた。
会見には、歌手で新党大地の有力支援者である松山千春氏も同席。鈴木氏の後援会が7区への擁立を求めている鈴木氏の長女でNHK職員の貴子氏(26)については、松山氏が調整していることを明らかにした上で「少しずつ前に進んでいる。遠くならないうちに結論がもらえると思う」と話した。

衆院解散から1週間。すでに走り始めた選挙戦では、2009年の前回選挙で民主党政権公約マニフェスト)の実現を訴えて当選した前議員らが「後始末」に追われている。
同党に対する有権者の批判は強く、激しい“逆風”は慌ただしく離党した前議員にも吹き付けている。
「力不足や経験の浅さを、皆様に率直におわびします」。野田首相衆院解散表明から一夜明けた15日、新潟で選挙区から出馬予定の前議員、黒岩宇洋氏は、早朝から新発田市内の街頭に立ち、通勤客に頭を下げた。最近は民主政権の成果も強調するようにしているが、「支持者から『なぜ応援しないといけないのか』と言われることもある」とこぼす。

民主党衆院解散後も各地で「政策進捗報告会」を開き、マニフェストについて説明と謝罪を続けている。17日、高松市内で報告会に出席した江田五月参院議員は「マニフェストはウソの代名詞」「町で『民主党はウソつき』と罵詈雑言を浴びせられる」と厳しい表情で反省。18日の金沢市での報告会では、批判の言葉に対し、蓮舫参院議員が「努力していきたい」と懸命に訴えた。
街頭演説でも厳しい声が上がる。さいたま市で17日、枝野幸男経済産業相が「『優良可』で優を付けてくれとは言いませんが……」と民主政権の実績を訴えると、「ろくな仕事をしてない」「ふざけるな」などと罵声が上がった。大阪府内で17日、菅前首相と街頭演説に立った前議員の辻元清美氏は「民主党を見捨てないで」と声を張り上げたが、聴衆のヤジはやまなかった。
(2012年11月23日14時51分 読売新聞)

来月4日公示の衆院選で、連合新潟は22日、新潟市西蒲区で開いた執行委員会で、新潟5区から民主公認で立候補する予定の田中真紀子氏を支持し、他の1〜4区と6区の民主公認の5人を推薦する方針を固めた。今月末に5区の地元の連合中越地域協議会と最終協議をした後、連合中央執行委員会で、正式に決定される。
この日の執行委で斎藤敏明会長は、20日に衆院解散後初めて長岡市の田中氏事務所で面談したことを明らかにした。斎藤会長は、前回選で田中氏が連合の推薦を返上したことに触れ、「今後、連合との関係をどうしていくのか」などと尋ねたところ、田中氏が「(3年前は)申し訳なかった。おわびします」と謝罪したという。
連合新潟によると、候補者の支援には、▽推薦▽支持▽何もしない−−があり、推薦の場合には候補者と政策協定を結ぶが、支持は協定は結ばず、有権者に支持を訴えるにとどまる。
今月に入り、民主党県連側から田中氏推薦要請に関する申し出があり、連合側が対応を検討していた。連合側は「全6区で民主党を応援していきたい」としながらも、前回選での組合員の混乱は大きく、地元組合員の理解は得にくいとして「推薦ではなく支持という形で支援し、地元の理解を得たい」とした。
委員会後、取材に応じた斎藤会長は「田中氏と今後もよく話し合いながら、連合のことを知っていただき、地元との対話を深めてほしい」と話した。一方、推薦要請があった新潟2区から社民公認で立候補予定の渡辺英明氏については、民主党支持を理由に推薦しないことを決めた。【山本愛】<<