ビザ無し交流同行記者団による国後島レポート

インフラ整備で“ロシア化”懸念

(前略)

同政府は2007〜15年に行う「クリル諸島社会経済発展計画」で、900億円を超えるとされる巨額の資金を投入。空港では新ターミナル建設と滑走路の延伸が進み、港では大型船が接岸できる施設の工事が続く。交流では新設された消防署や病院、学校などを多く見せられた。
しかし、アスファルト舗装は今年の予算で約3キロしか造れず、空港や港湾の工事も遅れ気味。完成のめども立たない。交流会に出席したロシア人の女子大生(21)は「舗装のおかげでハイヒールが履けてうれしい。でも、生活に変化はない」とさめていた。
元島民2世の白崎賢哉さん(56)は「工事は表面的で町づくりも計画性に欠ける。でも、島の開発にロシア側が本腰を入れはじめたのも事実」と危惧している。<<