ロシア 国後島でのナマコ養殖の合弁事業で中国企業と合意 / 政府 鳩山発言の火消しに必死

インタファクス通信によると、ロシアのラブロフ外相は15日、訪問先のロンドンで、日本との平和条約締結問題について「日本が他国のように、第二次世界大戦の結果を承認する以外の方途はない」と述べた。日本側に「北方領土ソ連に不法占拠された」という主張を撤回するよう求め、ロシア側の実効支配を強調する狙いといえる。
また、ラブロフ外相は、日露がクリール諸島(北方領土と千島列島)で共同開発を行うことについて、「だれも日本の立場をおとしめることだとは考えていない」と述べた。11日の日露外相会談に続いて北方領土に投資するよう求めた形で、日本側に立場を変えるよう執拗(しつよう)に迫る戦略は今後も続きそうだ。

ロシアと中国の水産会社が北方領土国後島で、ナマコ養殖の合弁事業を開始することで今月初めに基本合意し覚書に署名したことが15日、分かった。第三国の企業による北方領土での経済活動が明らかになったのは初めて。
領土返還を求める日本政府は、第三国による北方領土への投資はロシアの管轄権を認めることにつながり、不法占拠を助長するとして容認しておらず、反発は必至。事業が始まれば平和条約交渉の障害となるのは確実で、日本は一層厳しい立場に追い込まれる。

中国外務省の馬朝旭報道局長は15日の定例記者会見で、中国・大連の水産会社が北方領土国後島でロシア企業と養殖の合弁事業実施で合意したことについて「まったく知らない」と述べ、中国政府は無関係との認識を示した。その上で「北方領土問題はロシアと日本の2国間問題であり、双方が友好的な話し合いを通じて適切に解決できると信じる」と強調した。
日中関係筋によると、日本政府は報道を受けて中国側に事実関係の確認を求めたが、中国側は「知らない」と同様に回答した。
中国政府が実際に中ロ企業の合弁事業合意を把握していない可能性もあり、その場合は事実関係を調査し対応を決めるとみられる。ただ、政府としてロシアが実効支配する北方領土での民間の経済活動に関与しない立場を決めているとすれば、今後も同様に中国企業の進出が相次ぐ懸念もある。

日本政府は、ロシアと中国の水産会社が北方領土国後島での合弁事業開始で合意したことについて、事実関係を確認した上で、ロシア側に抗議の意思を伝える方針だ。菅直人首相は15日夜、記者団に「そう言うことがあるとすれば、わが国の態度とは相いれない」と強く反発した。
前原誠司外相は記者会見で「全く受け入れられない」と述べ、第三国からの投資を通じて北方領土の実効支配を目指すロシアの姿勢を批判。枝野幸男官房長官も会見で「第三国の国民であっても、ロシアの査証を取得して北方四島に入域することはわが国の立場と相いれない」と強調した。

ロシア軍参謀本部高官は15日、北方領土の防衛強化のため、現在駐留している機関銃・砲兵師団に加えて地対空ミサイル旅団が配備されるとの見通しを明らかにした。最新鋭地対空ミサイル「S400」が配備される可能性があるとしている。ロシア通信が伝えた。

一方でインタファクス通信は戦力は現状維持との報道。

政府は15日午前の閣議で、鳩山由紀夫前首相が北方領土問題に関して「2島(歯舞群島色丹島)にプラスアルファという考え方が必要だ」と2島返還論に言及した問題について、政府見解と一致しないとする答弁書を決定した。答弁書は「政府としては北方四島のわが国への帰属が確認されれば、実際の返還時期などについて柔軟に対応する考えであり、(鳩山氏の)発言はこの考えと必ずしも一致しない」と指摘した。
浅野貴博衆院議員(新党大地)の質問主意書に答えた。

浅野議員は鈴木宗男指導の元で質問主意書出してるんでしょうけど、小沢-鳩山ラインとの関係より領土問題が上位なんですね。

菅直人首相は14日、鳩山由紀夫前首相が米軍普天間飛行場の県内移設回帰の理由とした「抑止力」は「方便だった」と日米合意を揺るがす発言をしたことに関連し、「沖縄の海兵隊を含む在日米軍全体としてわが国にもアジア太平洋地域にも安全、安定に大きな役割を果たしていると考えている」と述べ、日米合意推進の姿勢を強調した。枝野幸男官房長官兼沖縄担当相も会見で、海兵隊の沖縄駐留の重要性を強調する“官僚答弁”を繰り返すなど、菅政権は鳩山氏の「方便」発言の打ち消しに躍起となった。

枝野氏は「日米合意を踏まえて、基地問題について沖縄の皆さんの理解を得るべく努力をしている。これが菅内閣の方針だ」と強調。「菅内閣の方針は、鳩山内閣からの方針と一貫している」と述べた。

ですって。

沖縄県中心に猛烈な批判がわき起こったため、鳩山氏は14日午前、記者団に「『方便じゃないか?』と聞かれたから、『そうかもしれない』と答えた」といい、「トータルとしての米軍の存在が抑止力ということになると(今も)思っている」と釈明したが、完全に後の祭り。
しかもインタビューでは、米国が辺野古にこだわる理由について「沖縄にいることでパラダイスのような居心地のよさを感じている」との見方も披露。米軍側としては、まさに侮辱発言だ。
沖縄・南西諸島地域の領空を守る航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将は「鳩山発言は利敵行為だ」といい、こう続ける。
「私のカウンターパートだった沖縄の海兵隊司令官は、1日4時間の睡眠だけで、覚悟を持って任務に当たっていた。沖縄に海兵隊がいることは、日本だけでなく韓国や台湾の安全に寄与している。鳩山氏は首相時代、日米関係を大きく傷つけた。議員バッジを外して、黙っていることが国家への貢献だ」。後任の菅首相がひどすぎて、心身ともにお疲れなのか。

北海道小樽市の第1管区海上保安本部は15日、北方領土歯舞群島付近で国籍不明の漁船に照明弾を発射したと、ロシア側から同日昼ごろに連絡があり、周辺の海域から帰港した漁船の調査をしたと発表した。

連絡元が国境警備隊では無く"ロシア側"であるところがミソ。