ロシア 菅首相発言に抗議 他

ロシア外務省は7日、菅直人首相がメドベージェフ露大統領の国後島訪問を「許しがたい暴挙」と発言したことに対し、「断固抗議する」との声明を発表した。ラブロフ露外相も7日の記者会見で「明らかに外交的でない発言」と批判した。両国は11日に外相会談を予定しているが、関係が揺らいでいる。

大使館前に集まったのは、プーチン首相支持の若者組織「ナーシ(友軍)」と、最大与党「統一ロシア」傘下の「若き親衛隊」の活動家計約20人。
「ナーシ」のメンバーは「菅首相は南クリール(北方領土)がロシア領だという現実を十分理解していない」と批判。北方領土をロシア領と明記したロシアの地図と教科書を大使館を通じて首相に渡そうとしたが、受け取りを拒否された。郵便で日本政府宛てに送るという。

タス通信によると、国後島の古釜布でロシアが建設していた新たな岸壁が完成、5日に貨客船が試験的に初入港した。輸送能力を高め、インフラ整備の迅速化を目指す狙いが潜む。
今年に入り、クリール諸島の開発事業に中国、韓国の企業を誘致する新たな戦略も公になった。ロシア側の管轄権を認めることになるとして、北方領土への投資を控える日本側を横目に、第三国を巻き込んで実効支配の既成事実を積み重ねる姿が浮き彫りになっている。

前原誠司外相は8日の衆院予算委員会で、北方領土問題の解決に「政治生命を懸けて努力したい」とした7日の北方領土返還要求全国大会での自らの発言について、「政治家になった一つのきっかけがこの問題だった。政治家として問題解決に努力していきたいという思いを述べたものだ」と釈明した。 

東京都港区のロシア大使館に、ライフル銃の銃弾とみられる金属弾1個が郵送されていたことが8日、警視庁麻布署への取材で分かった。「北方領土は日本の領土」などとワープロ打ちされた文書も同封されていた。

薬莢は空だったとのこと。